laughing

じぶんまくら : M.Hirai ページ38

(男性ブランコ 平井)









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｢あれ、今日男ブラおるん！｣



みたいやねーと相方が出番表を眺めながらのんびり言った。

やったあ、と私もそれに釣られるように腑抜けた返事をした。


男性ブランコ。33期生、期待のエース。


NSCの時はトップを飾っていた、華々しいソフトタッチなコント師だ。


コント内容は非常にハートフルで、おもしろい且つ、幸せになるような、

1度で2度美味しい構造になっている。鍋の後のおじやみたいな。


おじやコント、お得だね！とNSCの時にネタ作成者の平井に言ったら、


｢ちょっと何言ってるか理解できひんけどありがとう｣


と、素直に伝えてしまうぐらい純粋だから、あんなネタが作れるのだろう。


ちなみに、それが平井のボケだとわかっていても私は普通に傷ついて寝込んだ。


そんなセンスありまくりの男ブラが私は好きだ。同じコント師として尊敬している。


こうやって東京へ行ったあとも、寄席やらkento fukayaやシゲカズさんが主催するライブに出るために、


ちょくちょく帰ってきてくれるのが嬉しい。


昔の売れてない時に戻ったみたいで、なんだかワクワクするのだ。


もちろんどっちも好きなのだけど、私のお気に入りは平井。


何故かと言うと、変人しかいない33期で特に異色を放つ存在だからだ。


｢平井見んかった？じゃあ｣


相方｢じゃあて。いやー知らんで。まだ来てないんちゃうの、お昼からの参加やし｣


｢えーそんなはずない。私の平井レーダーが反応しているから｣


相方｢じゃあ私に頼らんと自分で探してくれ｣



タバコ吸ってくる、とヒラヒラ手を振ってその場を去った相方には目もくれず、平井を探すために私は旅を始めた。



しかしその旅は一瞬で終わる。



｢あ！平井〜！｣



と、思ったら。


｢あー……寝てはるわ｣


浦井｢単独近いからな｣


近くでスマホを弄っていた浦井がポソッと呟いた。


新幹線の中でもネタ作っとってん、と私の顔を見上げた。そして、久しぶり、と微笑んでくれる。


｢おぅ！久しぶり！あー結構追い詰められてる感じなんかー。
せっかく喋ろうと思ったのに！残念やなー｣


浦井｢いやいや、あとこれ以外にも何ステかあるんやから。ネタ後に喋りゃあいい話やん笑｣


｢睡眠に徹底したくない？ネタ作ってる時って｣


浦井｢すまん、俺はネタ作り担当じゃないからその感覚わからんわ……｣










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