サービスの時間 ページ13
「ていうか殺せんせー！ この花クラスの皆で育てた花じゃないですか！！」
「にゅやッ！ そ、そーなんですか！？」
「ひどい殺せんせー、大切に育ててやっと咲いたのに……」
「泣くな桃花。殺せんせーはな、この校舎を少しでも明るくしたいっていう私たちの気持ちが分からない冷酷無比なタコ型超生物なンだよ……」
「そっそんなことありません！ 誤解です五条さん！！ すいません！ 今新しい球根を……。買ってきました」
メグが叱咤し、桃花が涙を浮かべ、トドメに私が追い詰めると、殺せんせーは面白いくらい顔を青くさせ、マッハで新しい球根を買ってきた。
「マッハで植えちゃダメだかんね！」
「承知しました！」
「1個1個いたわって！」
「はい！」
メグと岡野に怒られながら球根を一つ一つ丁寧に植え直す殺せんせー。その姿は、どう見ても超生物としての威厳は微塵も感じられなかった。
「桃花、かき氷食うか？」
「うん、ありがとうAちゃん……」
涙を拭く桃花にかき氷を掬ったスプーンを差し出せば、それを口に含んだ桃花は美味しそうに笑顔を浮かべた。残りはクラスの皆で美味しく頂きました。
*
「そこだ、刺せ！！」
「くそっ、こんな状態でヌルヌルかわしやがって！」
「ほら、おわびのサービスですよ？ こんな身動き取れない先生、そう滅多にいませんよぉ」
「身動き取れねぇ状態でヌルヌル躱す先生もそうそういねぇわ！！」
殺せんせーが花壇を荒らしたお詫びとして、ハンディキャップ暗殺大会が開かれる。殺せんせーを縄で縛って木に吊るして暗殺を試みるが……、もうこれわけわかんねぇな。色んな意味で。
躱しまくるからか、やがて顔色はナメている縞模様となっていった。更に慢心が加速してぶらぶらと体を揺らしていると、先生を吊るしていた枝が徐々にミシミシと悲鳴をあげる。そして、
「あっ」
ついに限界を迎えた枝が折れ、殺せんせーがボトリと音を立てて地面に落ちる。皆は最初こそ呆然としていたものの、
「今だ殺れーッ！！」
「にゅやーッ！ しッ、しまった！！」
好機と捉えて殺せんせーに一斉に襲いかかる。そこでふと先程渚がとっていたメモを思い出す。確か、『カッコつけるとボロが出る』だっけ。その時は役に立つのか？ と少し疑問に思っていたが、想像以上に活躍しそうだ。
この日、渚のメモには更に『�▲謄鵐僂襪里�意外と早い』と、『�４錣�小さい』が追加された。早い段階で弱点ぽこじゃか出たなぁ……
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作者名：水原 紫歩 | 作成日時：2019年7月8日 21時
