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朝起きて試すもトリップできない。
しょうがないので学校に行く支度をし、学校の休み時間の度に確認するも行けない。
困っているとお昼休憩のとき―昼の12時に、ようやくトリップすることが出来た。
宝石のように眩い光が視界を包み込む。
目を覚ますとあの部屋に立っていた。
またやって来たんだ。A3!の世界に。
とりあえず、トリップが終わった瞬間の場所に戻ってくることは分かった。
「あれ、お前いつからいたんだよ」
「ば、万里くん」
来て早々万里くんに出会った。今日のノルマ達成。
「今朝呼びに来たのにお前居ねぇんだもん。どこ行ってたんだよ」
「万里くん呼びに来てくれたんですね……モーニングコールですか?夫婦なんですか?でもまだ夫婦じゃないので結婚しましょう」
「しねぇよ。質問に答えろ。」
そんなに照れなくても……万里くん可愛い。
「えっと、学校に行ってました。ビロード町の学校じゃないので早めに出ないと学校に間に合わなくて。」
嘘は言ってない。嘘は言ってない……!!
「そうか。でもなんでまた戻ってきたんだよ?」
「お昼休憩、割と長いので万里くんの顔が見たくて戻ってきちゃいました。」
「俺が学校だとは思わなかったのか?」
私が万里くんの顔を見たいと言ったのを完全にスルーしまた質問をした。
「人生スーパーウルトライージーモードの万里くんなら学校サボってるかなって思いまして」
「お前に言われると腹立つな。間違ってねぇけどよ……」
何この会話。ケンカップルみたい幸せ。
「会って早々悪いんですけどそろそろ戻らないと間に合わないので……私と話せなくて寂しいかもしれないけど、ごめんなさい。恨むなら学校を恨んで」
「思ってねぇから。むしろさっさと学校行け」
「はーい」
学校行けって万里くんに言われちゃしょうがない。
お母さんに言われるのとは全く違った心地よさが胸の中にあった。
帰ってきた所を装って来れるように、カンパニーよりもほんの少し離れたところでトリップを終わる。
宝石の部分がスイッチ兼センサーのようになっているらしく、行く時は手を翳し、帰る時はスイッチを押すことによって帰れるようだ。
説明書にメモ程度に書いてあったことを思い出しながらスイッチを押してみる。
眩い光は一瞬にして消えて、風景は学校。
”学校行け”
嫌がられていて言われたのだろうけど、私にとっては応援の言葉にしか聞こえなくて午後の授業はとても集中して頑張った。
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めぇたそ*(プロフ) - とても素敵でおもしろい作品でした!万里推しじゃないのに心奪われました。他の作品作りも頑張ってください!因みに質問ですが、そのコンパクト、どこにあります?やっぱりアニメイドらへんにありますかね?() (2019年9月26日 17時) (レス) id: 7e044f69cb (このIDを非表示/違反報告)
柚子(プロフ) - ゆにさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!楽しんでいただけたようでしたら何よりです(^^)他の作品もぜひよろしくお願いします! (2018年5月26日 22時) (レス) id: 1681e727f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - とても素敵な作品で、楽しく読ませていただきました!後半では思わず涙が溢れてしまいました(´;ω;`) (2018年5月26日 0時) (レス) id: 6d746fddb3 (このIDを非表示/違反報告)
柚子は多忙で更新停止中(プロフ) - りるはさん» ありがとうございます!そう仰って頂けるととても嬉しいです。他の作品も是非よろしくお願いします。 (2017年12月27日 12時) (レス) id: 0f9b565f22 (このIDを非表示/違反報告)
りるは - 素敵な作品ありがとうございました!!とても面白かったです。 (2017年12月27日 11時) (レス) id: aa91e6f5aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚子 | 作成日時:2017年5月18日 21時