検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:73,469 hit

番外編 ページ37

「Aちゃんっておせっかいだよね」
弟のような兄がいるせいだろうか。いつしか私はお姉ちゃん……いや、お母さんに近い存在として扱われていた。多分、甘えられないのは小学生の頃からみんなに頼られているからであろう。
「え、そうかな?」
「うん。お母さんみたいで、すごく安心する」
みんなに頼られるのも別に嫌じゃなくて、いつしか私はみんなの相談役になっていた。

そんなある日。小4くらいのことだっただろうか。私を含むいわゆる女子の"グループ"がグループ内で喧嘩をした。二つに分かれて対立しちゃうような感じの。どうしても空気を悪くしたくなくて、私はどちらの方にもついて、いわゆる仲裁的な役割をしていた。
そのとき、分かれてしまった片方のグループのリーダーみたいな存在の子が言った。
「あのさ、Aはどっちの味方なの?」
「……え?」
「そうだよ、結局自分の意見言わないでずっとついてきてるだけじゃん。うざい」
そのグループが仲直りすることなく、私はどちらのグループからも避けられてひとりになった。
もう無駄なことはしないようにしよう、と心に誓った。

それから数年、小6になってやっと信頼できる友達が出来た。私を含めて5人のグループ。ついつい気が緩んで、私の本性が出た。そのときはオタクっぽい、というよりかは男っぽかった。兄がいるからだろう。
信頼できる、と思っていたのに避けられてしまった。自分の本性を出したせいで嫌がられているとも思っていなかったから何をしたのかと時には泣いていた。
私たちは先生に呼び出された。私たちの異変に気が付いた先生がなぜ避けていると問いかけたのだ。「すぐ馬鹿とかいうから」
「すぐ叩くから」
この時自分の性格が嫌がられていることに初めて気が付いた。苦しかった。その友達は、初めて大好きといえる友達だったから。
先生は、それを柊に伝えたのか、柊も何か言ったのかと聞いた。答えはどちらもいいえ、だった。
私は熱を帯びた声のまま言ったのだ。全然遊びに誘われなくなって自分は何をしたのかと考え続けた、と。
すると一人の子謝った。泣きながら、Aごめん、と。続けて他の人も全員謝って私も気が付かなくてごめんと謝った。
先生のお陰でこのことは無事に解決した。今でもその子たちとは仲良くやっている。
多分、迷惑を考えるようになったのもこの頃だ。大好きな人の為に、自分の嫌な部分を曝け出したりして迷惑をかけたくない。嫌われるのはもうごめん、と。

実話です笑

番外編→←*番外編



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (98 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
178人がお気に入り
設定タグ:A3! , トリップ , 摂津万里
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

めぇたそ*(プロフ) - とても素敵でおもしろい作品でした!万里推しじゃないのに心奪われました。他の作品作りも頑張ってください!因みに質問ですが、そのコンパクト、どこにあります?やっぱりアニメイドらへんにありますかね?() (2019年9月26日 17時) (レス) id: 7e044f69cb (このIDを非表示/違反報告)
柚子(プロフ) - ゆにさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!楽しんでいただけたようでしたら何よりです(^^)他の作品もぜひよろしくお願いします! (2018年5月26日 22時) (レス) id: 1681e727f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - とても素敵な作品で、楽しく読ませていただきました!後半では思わず涙が溢れてしまいました(´;ω;`) (2018年5月26日 0時) (レス) id: 6d746fddb3 (このIDを非表示/違反報告)
柚子は多忙で更新停止中(プロフ) - りるはさん» ありがとうございます!そう仰って頂けるととても嬉しいです。他の作品も是非よろしくお願いします。 (2017年12月27日 12時) (レス) id: 0f9b565f22 (このIDを非表示/違反報告)
りるは - 素敵な作品ありがとうございました!!とても面白かったです。 (2017年12月27日 11時) (レス) id: aa91e6f5aa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:柚子 | 作成日時:2017年5月18日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。