＊番外編 ページ36
実を言ってしまうと、万里くんと両想いになったにも関わらず家に帰れていた。
お母さんにも万里くんにも心配して損したと言われた。そんなの私知らなかったし……。
代わりに、好きな時間に自由に行き来できるようになり、コンパクトは3次元と2次元を繋ぐ電話がわりになった。
――今日は、万里くんがお母さんに挨拶をする日。
コンパクトの中の万里くんに挨拶をする。ちなみに、このとき万里くんが見ている私は普段の私……2次元にいる私と変わらないらしい。良かった、現実の悲惨な顔を見られなくて。
きっとギャップで驚かせないためのコンパクトの気遣いなんだろうな。このコンパクトめちゃくちゃ優しいよね。
「あ゛ぁ゛〜緊張してきた」
「大丈夫だよ、私のお母さん万里くんに会いたがってたし、そもそも私から話してあるから関係認めてるし」
「そうは言ってもよぉ、親に会うんだぞ!!分かってんのか!!」
人生スーパーウルトライージーモードの万里くんが緊張なんて可愛くて笑える。いや、笑えないんだけども。にやける的な意味で。
「私の家到着。行くよ、万里くん」
「お、おい!!」
ただいま、万里くん連れてきたよ、と言うとお母さんはバタバタとしながら走ってきた。
「はじめまして、万里くん!!」
甲高い声だった。電話で話す時とかの、あの声。
「お母さん声作っ……」
「うるさいわね」
いつもの低い声で私を黙らせると、もう1度甲高い声で挨拶し始める。もう声聞かれたから意味無いのでは……。
「初めまして。娘さんにお世話になってます」
「やっだぁ、お世話なんてそんな!!むしろAがお世話になってるわよ。A、鈍臭いから」
「お、お母さん……!!」
何だか恥ずかしくなった。早くこの場から抜け出したい!!
「Aは自分を悲観的に見やすいから、人を好きだなんて言ったこと今まで一度もなかったのよ。これからもよろしくね」
「そ、そういうのいらないから!!」
万里くんは嬉しそうに笑うと、こちらこそ、と言って敬礼した。はぁ、私の彼氏なんて可愛いの。私より可愛い。
「さ、挨拶も終わったことだし談笑でも……」
「もう良いから!!」
私はバタバタと家から飛び出しトリップ。
お母さんに私について語られた。もう嫌だ。
「いいお母さんじゃん」
「何処が!?」
少しだけ間があく。
「なぁ、Aは自分を悲観的に見やすいって言ってたけど、なんか理由でもあったのか?迷惑とかも気にしてるし」
……万里くんなら話してもいいかな、と私は口を開いた。
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めぇたそ*(プロフ) - とても素敵でおもしろい作品でした！万里推しじゃないのに心奪われました。他の作品作りも頑張ってください！因みに質問ですが、そのコンパクト、どこにあります？やっぱりアニメイドらへんにありますかね？() (2019年9月26日 17時) (
レス) id: 7e044f69cb (このIDを非表示/違反報告)
柚子(プロフ) - ゆにさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！楽しんでいただけたようでしたら何よりです(^^)他の作品もぜひよろしくお願いします！ (2018年5月26日 22時) (レス) id: 1681e727f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - とても素敵な作品で、楽しく読ませていただきました！後半では思わず涙が溢れてしまいました(´；ω；｀) (2018年5月26日 0時) (レス) id: 6d746fddb3 (このIDを非表示/違反報告)
柚子は多忙で更新停止中(プロフ) - りるはさん» ありがとうございます！そう仰って頂けるととても嬉しいです。他の作品も是非よろしくお願いします。 (2017年12月27日 12時) (レス) id: 0f9b565f22 (このIDを非表示/違反報告)
りるは - 素敵な作品ありがとうございました！！とても面白かったです。 (2017年12月27日 11時) (レス) id: aa91e6f5aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚子 | 作成日時：2017年5月18日 21時
