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「至さん、冗談はそこまでにしてください」
「俺は本気なんだけどな?」
Aが必死にお願いを回避しようとしている所、万里がやってきて俺の体を離した。万里はあからさまに不機嫌だ。
全く、手のかかる奴ら。俺がこういう風にでもしなきゃ動かない。奴ら、ではないか。主に万里。Aは最初から動きまくってるか。
「行くぞ、ストーカークソ野郎」
「いつもよりあだ名長くないですか!?」
いやそこじゃないだろ、と突っ込みたくなったのを抑えて、不機嫌なままAを引き連れていく万里を見届けた。
「大丈夫かなぁ、全く」
俺は1人でぼんやりと呟いた。
* * *
「万里くん!!痛い!!痛いから!!」
「わ、わりぃ」
腕を掴んで引き連れていたため、妙に力が入っていたようだ。
「もう、そんなにミミアリと魔女の花楽しみだった?」
絶対違う。けど、今の自分の心情を知られるよりかはそうした方が良い、と思った。
「まぁ、楽しみだったよ」
「過去形!?」
上手く言葉を繋げられなくて困った。
とりあえず、早く映画館に行ってしまおう……
* * *
今日の万里くんは、何だか不機嫌だ。
何処かムスッとしててあまり話を聞いてくれない気がする。
――なるべく、迷惑をかけないようにしよう。
そういうのは気にするな、と言われたことを覚えておきながらそんな発想が出てきた。
私には、機嫌を損ねた人の機嫌を直す方法なんて知らない。だから、これ以上不機嫌にさせないために努めるだけだ。
……いつだって、そうだった。
チケットを買うと、私はポップコーンやドリンクも買ってきた。自分用だが、万里くんがいると言えばあげるつもりだ。
「万里くん、何か要りますか?」
「必要だったらもらうわー。」
うーん、やっぱりぼんやりしている。
突っ込んだらお節介な奴、と思われちゃうかな。
『――お節介は黙ってて!!』
昔言われたことが蘇った。
駄目。今そんなこと気にしちゃ……。
――やっぱりわたしはあの日から変わってないのかな……。
今日に限って自己嫌悪の波が襲ってきて、今にも泣きそうだった。
隣に座っている万里くんに甘えたかったが、そうすることも許さないぐらい私は迷惑をかけたくない、と思い始めていた。
その思考を掻き消すように、目の前のモニターが映像を流し始めた。
これでもう、何も考えなくて済む――。
私は食い入るように画面を見つめた。
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めぇたそ*(プロフ) - とても素敵でおもしろい作品でした！万里推しじゃないのに心奪われました。他の作品作りも頑張ってください！因みに質問ですが、そのコンパクト、どこにあります？やっぱりアニメイドらへんにありますかね？() (2019年9月26日 17時) (
レス) id: 7e044f69cb (このIDを非表示/違反報告)
柚子(プロフ) - ゆにさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！楽しんでいただけたようでしたら何よりです(^^)他の作品もぜひよろしくお願いします！ (2018年5月26日 22時) (レス) id: 1681e727f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - とても素敵な作品で、楽しく読ませていただきました！後半では思わず涙が溢れてしまいました(´；ω；｀) (2018年5月26日 0時) (レス) id: 6d746fddb3 (このIDを非表示/違反報告)
柚子は多忙で更新停止中(プロフ) - りるはさん» ありがとうございます！そう仰って頂けるととても嬉しいです。他の作品も是非よろしくお願いします。 (2017年12月27日 12時) (レス) id: 0f9b565f22 (このIDを非表示/違反報告)
りるは - 素敵な作品ありがとうございました！！とても面白かったです。 (2017年12月27日 11時) (レス) id: aa91e6f5aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚子 | 作成日時：2017年5月18日 21時
