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「すぅ、はぁ、これが万里くんのにお……」
「おま、流石にきもい」
枕に突っ伏したまま匂いを嗅いでいたら勢いよく頭を叩かれたけど、それも万里くんなら心地いいと思ってしまった私はMなのだろうか。
「あの、色々状況を説明してもらえると助かるんですけど……」
熱で意識が吹っ飛んでいるのでベッドで寝ているなんて意味がわからない。部屋にあった時計を見ると14時12分。12時ぴったりにトリップしてきたので2時間とちょっと寝てしまったことになるがたいして時間を使っていないようだった。
「俺もよく分かんねぇんだけど、な。久しぶりに学校行ったら急に至さんから連絡来てよ。お前が熱で倒れたって、言われて」
証拠に、というように万里くんはLIMEを見せてくれた。
その上にある会話をほんの少し確認しスマホの機種もすぐに脳内で大体特定した後、私は聞いた。
「ここで寝てるのはどうしてですか?ソファとかならまだしも、万里くんのベッドなんて私鼻血出しますよ」
「汚れるからやめろ。これも至さんに言われたんだ。」
万里くんはちょっと気まずそうに目線を逸らした。
でも、梯子を登って最後はちゃんと目を合わせてくれた。何を言うかと思って構えていたら、
「……わ、悪かったよ」
それは、想像もしていなかった謝罪の言葉だった。
* * *
至さんからLIMEが来て学校だから、と返そうとしたらメッセージが続けて送られてきたのだ。
”本当に辛そうだから”
”それに、この前のこと謝ったら?”
”今日学校行ったのも気まずいからじゃないの?”
全てを見透かされたようなそのメッセージに吃驚しながらも仕方なく学校を早退し戻ってきた。
ソファに横たわるストーカー野郎は至さんの言う通り本当に辛そうだったから俺はベッドに運んだ。
きっと気付いたら喜んでくれるかもしれない、と。自惚れているだけかもしれないが、いつもあんなに言われてちゃそんな発想も出てくる。
流石にベッドで2人は如何わしいので下に降りて待っていた、という訳である。
「……わ、悪かったよ」
謝罪の言葉は自分でも驚くほど素直じゃなくて、言葉を急いで紡いだ。
「いてもいなくても同じ、なんて思ってねぇから」
「ば、ばんりく……!!」
「違う!!勘違いするなよ!!いたらうるせぇし邪魔だって意味だ!!……でも、それに慣れちゃったんだよ。お前がいないと静かで気持ちわりぃから」
そう言うとお前は、嬉しそうに微笑んだ。
その姿に一瞬見惚れた、なんて絶対言えない。
一瞬、一瞬だからな!!
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めぇたそ*(プロフ) - とても素敵でおもしろい作品でした！万里推しじゃないのに心奪われました。他の作品作りも頑張ってください！因みに質問ですが、そのコンパクト、どこにあります？やっぱりアニメイドらへんにありますかね？() (2019年9月26日 17時) (
レス) id: 7e044f69cb (このIDを非表示/違反報告)
柚子(プロフ) - ゆにさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！楽しんでいただけたようでしたら何よりです(^^)他の作品もぜひよろしくお願いします！ (2018年5月26日 22時) (レス) id: 1681e727f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - とても素敵な作品で、楽しく読ませていただきました！後半では思わず涙が溢れてしまいました(´；ω；｀) (2018年5月26日 0時) (レス) id: 6d746fddb3 (このIDを非表示/違反報告)
柚子は多忙で更新停止中(プロフ) - りるはさん» ありがとうございます！そう仰って頂けるととても嬉しいです。他の作品も是非よろしくお願いします。 (2017年12月27日 12時) (レス) id: 0f9b565f22 (このIDを非表示/違反報告)
りるは - 素敵な作品ありがとうございました！！とても面白かったです。 (2017年12月27日 11時) (レス) id: aa91e6f5aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚子 | 作成日時：2017年5月18日 21時
