【A3!】オタク少女はシンデレラ【トリップ】

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え、と思わず声を漏らしそうになったのを抑え、それっぽいことを返した。

「そっか。午前中いなかったのは家でお勉強でもしてきたの?」
「そーなんですよ―!!ビンゴですよ至さん!!なんてったって目の前でやれっていうものだから……思い出しただけで辛い」

――思い出しただけで辛いのは、昨日の出来事だろ……?
きっと旅行に関することはAにとって辛いだろうと思った俺は話題を変えることにした。

「どうせもうすぐ稽古終わるし、後でゲームしよ。A結構強いんだよ」
「勿論やりますとも!!エセ課金勢舐めない方がいいですよ、実力派なのでね!!」

エセ課金勢、そのフレーズは友達に言われたらしい。この前初めてゲームをした時に聞いた。
――その後俺はみんなに話して、なるべく旅行の話題に触れないように、と伝えAを傍に置いて稽古をした。

* * *

旅行中。集中出来ねぇ。
別にあいつが好きとか嫌いとかそういう話じゃなくて、至さんは全てを分かりきったような空気だったのに教えてくれなかったこと、自分も気付けていない事実が気になってしまっていた。

「……摂津」
「なんだよ、兵頭」

とても甘そうないちご牛乳のパックを握りしめた兵頭がこちらへやって来た。

「なんか今日の摂津、稽古に集中出来てなくないか。」

そんなの、俺が一番分かっている。
兵頭に言ったって兵頭が分かるはずもないのに、何となく今までのことを話してしまった。
ひとしきり話を聞いた兵頭は一瞬考える仕草をして、
「すまん、俺には分からん」
と言った。
んなの知ってた、というように俺はため息をつくとだろうな、と呟いて稽古場へ戻った。

この旅行は稽古もそうだが、左京さんと東さんの為に動かなきゃ行けない所もある。
ちゃんと気持ちを切り替えて、旅行に臨まないと駄目だ。

―――

テスト期間でなかなか更新できませんでした！すいません！！

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