【A3!】オタク少女はシンデレラ【トリップ】

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秋冬組の旅行の日までにランボの万里くんを手に入れた。生で見られないのなら、カードで済ませるしかない。
一応、行かないけどトリップするつもりではあるし。

旅行の日までは普通に顔を出した。
自分が傷付いて落ち込んでいるところなんて見せたら迷惑をかけるかもしれない、嫌われてしまうかもしれないと思ったからだ。
――昔から私は他人に迷惑をかけること、他人から否定されるのを相当恐れている。

旅行の日。休日とはいえやはり昼の12時からしかトリップ出来ないようだった。
カンパニーに行くと秋冬組はもう出発したようで、既に人気がなくなっていた。春夏組は稽古中だろうか。

「稽古しているところ、見に行ったら邪魔かな……」

そう思わず呟いたら、背中のあたりを誰かにぽんと叩かれた。
――至さんだ。

「別に邪魔じゃないよ。見に来れば?」
「聞いてたんですね。この後見に行きます」
「……というか、旅行は?」

ふと昨日の出来事が脳裏を過った。
駄目。顔に出しては駄目。迷惑はかけたくない……。

「――親に行くなって言われちゃったんですよね!!酷いんですよ?私がカンパニーの雑誌見せながらこの人と新婚旅行行くわーって行ったら阿呆なこと言ってないで勉強でもしたら、って言われたんですよ」

辛さを紛らわすように、嘘八百のことをつらつらと語った。

「そっか。午前中いなかったのは家でお勉強でもしてきたの?」
「そーなんですよー!!ビンゴですよ至さん!!なんてったって目の前でやれっていうものだから……思い出しただけで辛い」

私と至さんは笑いあった。万里くんとではないけど、これもやはり幸せな時間だ。

「どうせもうすぐ稽古終わるし、後でゲームしよ。A結構強いんだよ」
「勿論やりますとも!!エセ課金勢舐めない方がいいですよ、実力派なのでね!!」

* * *

Aはいつから来ていたのか休憩中に見つけると稽古を見ようか、なんて呟いていた。

「別に邪魔じゃないよ。見に来れば?」
「聞いてたんですね。この後見に行きます」
「……というか、旅行は?」

わざと聞いた。そんなの知っている。励ましてあげたいと思った。Aは、元気なAのままでいて欲しいからね。

「――親に行くなって言われちゃったんですよね!!酷いんですよ?私がカンパニーの雑誌見せながらこの人と新婚旅行行くわーって行ったら阿呆なこと言ってないで勉強でもしたら、って言われたんですよ」

しかし、返ってきたのは予想外の答えだった。

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