【A3!】オタク少女はシンデレラ【トリップ】

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アニメイドで、今日もグッズを買った。

「はぁ…推しが尊い…」

ランダムで出てくるグッズだったが、無事に推しであるキャラ―摂津万里くんを手に入れる。

――今日も3次元はつまらない。

いっそのこと、2次元に飛び込みたい……。

オタクなら誰しもが思ったことのあるであろうことを考えていると、地面に綺麗なコンパクトが落ちていた。

何処かの美少女戦士さんが持っているようなハートの可愛らしいコンパクトで、思わず手に取った。

気になって中を見ると、紙切れが1枚挟まれていた。

”2次元に行けるコンパクト 説明書”

まさにさっき考えていた事だったので読み進める。

”これは2次元に行けるコンパクト。”

”自分の行きたい作品を呟き真ん中の宝石を転がすように触れるだけ。”

”ただしルールは守ること。”

”1.時刻はいくら長くても午前零時まで”

”2.零時になったら強制的に帰す。その際見られてはならない”

”3.もしも永遠にその場にいたいというのなら、その世界の誰かと結ばれること
※但し、元の世界へ帰れなくなっても責任は取れない”

「…12時まで。」

何だかシンデレラを想像させるようなフレーズ。

いくら午前零時までとはいえオタクにとって2次元に行けるというのはとても魅力的だった。

本当かは分からない。けど……
―行ってみようじゃないか。

とりあえずアニメイドの前で行くのもどうかと思うので家へ帰る。

そしてお母さんに宣言した。

「あら、A。おかえり」
「ただいま。ちょっと2次元行ってくるわ」
「はいはい…って、え!?どういうこと!?」

お母さんの驚きの声も無視して、自室へ。

逸る気持ちを抑え、私は呟く。

「……A3!」

そして宝石に触れれば、私の目の前はその宝石のような眩い光に包まれた。

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