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私が私自身の感情に振り回されないようにと、心を閉ざしてからはこれまでにないほど快適な日々が送れた
五条さんからのメッセージを開こうとするたびに動機がすることも、息がうまく吸えなくなることも無くなったし、シチュールーの箱を見ても何も思わなくなった

凄い、快適だ

感じないって素晴らしい

昔の自分なら感情を感じ取れない人間を可哀想に思っただろう、そして私はそうなりたくないと思ったはずだ
楽しいことを楽しいと感じ取れないことは悲しいから
だけど今実際に体験してみて思う
感じ取れないことを悲しいと感じ取ることができないので、このままが気楽で過ごしやすいと思う

感情に縛られないって自由だ

今まで腹の底に溜め込んでいた全てが今は空気みたいに軽くて、吸っても吐いても苦しくならない

五条さんとも、付き合う前、それよりも前の好きになってしまう前に戻ったような気持ちで接することができるようになった
五条さんが誰といようが全く気にならないし、この2ヶ月弱顔どころか声も聞けなくたって平気になった

それから私は今まで以上に仕事に打ち込むようになったし、どんな理不尽な要求にも耐えられるようになった
虎杖くんにも前は心配そうな目を向けられていたのに、今は純粋な笑顔を向けてくれるのだからこれで良かったんだ
全てがうまく行っている
なんの心配もいらない、自由な私に生まれ変わったんだ


ずっとそう思ってた



五条さんA

五条さん今週末あいてる?

五条さん話したいことがあるんだ

五条さん最近会えてなかったしさ、ついでにデートでもしない?

なんで
なんで今更
やめて
私を
私の心を乱さないで
私の心を暴かないで

街なかで震えだす手を抑えることもできないまま崩れ落ちる

話ってなんだ
別れ話?
2ヶ月以上顔も合わせなかったから?
ついでってなんだ
久しぶりのデートなのに
彼にとっては別れ話のついでなの?
どうして今更別れ話なんて
みなという女性と親密になってすぐ別れてくれれば良かったのに
そうすれば傷も浅かったのに
情があったから?
可哀想だったから?
もういいから放っておいてよ
なにがいけなかったの?
何にも文句言わなかったのに
全部我慢したのに

私はただ、あなたの恋人になりたかっただけなのに

閉じ込めたはずの感情が溢れ出す
消えて無くなったと思っていた感情は全部、ここにあったんだ
私が見ないふりをしてただけで















あなたが好きです

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作者名:ナノ | 作成日時:2021年4月21日 23時

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