【2j3j】隣の席のリスナーくん【knmc】

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「わぁ、ありがとうございます！家に帰ってから大事に開けますね」


嬉しそうに笑う刀也くんは、少し前屈みになって額に一つキスをしてくれた。

その行動にキュンキュンと胸が騒いで好きが溢れる。

刀也くんの左手を掴んで、あの、と声を絞り出す。


「お家、寄って・・・いきませんか・・・」










お互い、正座で向かい合うこの空間はかなり異質である。



挙動不審になった刀也くんは「ぅ、あ、そ、お、邪魔、します・・・」と答えて視線を泳がせていた。

そんな態度取られてしまうと、私もちょっとソワソワしてしまう。

私の部屋へと通せば「ぅあ、べりーちゃんの配信部屋・・・！！」なんて部屋の一角にある配信スペースを見て口元を押さえていた。


「飲み物、取ってくるね。適当に座ってて！」


刀也くんにそう声をかけてキッチンへ飲み物を取りに行って、そこでやっと両親が不在、2人っきりという事実に気づいてグラスを落としかけた。



こ、これは・・・まずい、のか？



付き合ってる男女、両親の居ない家・・・そういった事を全く考えていなかった。


ただ、もう少しだけ刀也くんと一緒に居たいなぁなんて、軽い気持ちで誘ってしまったが、もしかして勘違いされてしまったのでは・・・？


破廉恥な女だと思われてしまったのでは！？！？


その可能性に思わずわあああああっと自分の顔を手で覆った。



と、とりあえず刀也くんに飲み物を持っていかなければ・・・。




麦茶を注いだグラスが、私のように汗をかいてカランっと小気味いい音を響かせた。

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