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「もしもし」

「あ、剣持くん?急にごめんね?」

「大丈夫ですよ...Aさん、ですよね?」

「え、うんそうだけど...なんで?」

電話越しに困惑した声が聞こえてくる。
着信画面見ないでボタン押しちゃったのかな?

「いや、いつもより声が高かったので...可愛らしい声ですね。べりーちゃんにちょっと似てるかも」

ぴしりと自分の身体が固まった。

やってしまった。

家にいるものだから完全に気が抜けていた。声を作ることを忘れて電話をかけてしまった。

「そ、そうかなぁ!?電話越しだからかもね!!!」

急いで作った声で誤魔化す。めちゃめちゃ怪しくて草である。


「あぁ、電話だとどうしても声質変わりますよね〜。でも、本当にそっくりでしたよ」

楽しそうな剣持くんに「そうそう、電話あるあるだよね〜!!あ、英語のテキスト問題がわからなくて!!教えてもらえないかな!?」と早口でまくし立てる。

話を一生懸命そらす私を気付いてるのかわからないが、剣持くんはんふふ、っと笑うと「いいですよ、どのへんですか?」と優しく聞いてくれて、一緒に通話を繋げながら勉強をする流れになった。


「あぁ!そういうことか!ありがとう、やっとわかった〜」

「ここの文法、難しいですよね。引っかけ問題ですから」

剣持くんが親切丁寧に教えてくれたお陰でテスト範囲内の勉強はほぼ終わった。
あとは復習あるのみだ。本番は明後日、しっかりと赤点回避しなければ!!!


「本当にありがとう!文法難しいね〜、苦戦した...」

「......」

「剣持くん?」

黙ってしまった剣持くんに声をかける。

「あの、もしAさんが赤点とることなくテストクリアできたら、1つお願い聞いてもらってもいいですか?」

「いいよ!ここまで丁寧に教えてくれたんだもん!」

むしろお礼しないなんて考えが皆無だったため、喜んで快諾した。

「ふふ、どんなお願いでもですか?」

楽しそうな声が右耳に響く。すごく心地の良いその声にドキドキしてしまう。

「うん、いいよ」

「じゃあ、考えておきますね」

「うん、本当にありがとう。おやすみ」

「おやすみなさい」


剣持くんの”おやすみ”だけで、今日はぐっすり眠れそうだな〜、なんて思わず笑ってしまった。



今は、この幸せの気持ちのまま眠りにつこう。


あわよくば


夢のなかでも


彼に会えますように

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作品ジャンル:恋愛
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おすし(プロフ) - ココアさん» ココア様、ありがとうございます✨また次回作や番外編でお会い出来ますように…♡ (2022年7月25日 10時) (レス) id: f18e2ac31d (このIDを非表示/違反報告)
ココア - 完結おめでとうございます!!お疲れ様でした! (2022年7月24日 23時) (レス) @page41 id: 23123a7f78 (このIDを非表示/違反報告)
おすし(プロフ) - 後藤絵里さん» (はっ…!ありがとうございます!!)(ひっそりと修正しました!ありがとうございます!!) (2022年7月24日 18時) (レス) id: f18e2ac31d (このIDを非表示/違反報告)
おすし(プロフ) - アクシエイドさん» アクシエイド様、素敵なコメントありがとうございます!無事に完結出来て安心しております。また機会がありましたら、お会い出来ますように…♡ (2022年7月24日 18時) (レス) id: f18e2ac31d (このIDを非表示/違反報告)
後藤絵里(プロフ) - (最後の方の、「一緒にいれますように」が「一緒に入れますように」になってますよー…(^-^)/) (2022年7月24日 18時) (レス) @page41 id: 1a5db0f276 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おすし | 作成日時:2022年7月3日 23時

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