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9.5side_knmc ページ21

「やった、ついにやったぞ...」


Aさんを駅まで送って帰宅した僕は、ベッドに大の字で寝転びながら天井を見つめていた。


さっきまで、ここにAさんが居たんだなぁ...なんて考えて、さすがに気持ち悪すぎたと反省する。


高校入学してしばらくしてから、Aさんの存在に気付いた。

ずいぶんと小柄で、可愛らしい...幼い子供みたい。

それが彼女への第一印象だった。

1年ではクラスが別だったため、なんの接点もなくそのまま時は過ぎていき2年になって同じクラスになった。


実際に同じクラスになってみたら、すごく物静な人で少し驚いた。

しゃべる事もあまりなく、どこか近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。



幼い顔つきに似つかわしくないそのギャップに、次第と引かれていった。

ある日、違うクラスの女子がAさんのところにやって来た。
恐らく友人であろうその女子と会話をしているAさんを見て、心臓に矢が刺さった。


口許を隠して笑う、その可愛らしい仕草。


友人に向けるその柔らかい笑顔。


笑うと下がるその目元も、全部がキラキラして見えた。


あまりにも簡単に恋に落ちた自分に笑いそうになったのを今でも鮮明に覚えている。


もっと、もっといろんな顔がみたい。

もっと僕に、俺に笑いかけてほしい。


彼女の、全部が、知りたい。


自覚したは良いものの、まともにしゃべった事のないのに今さら話しかけるにはハードルが高すぎた。
なにか、きっかけさえあればいいのに...。

なんて、考えていたある日。

Aさんがペンケースを忘れてしまったと困っていた。
これはチャンスとばかりに、紳士な装いでAさんにペンを貸した。

ペンを貸すついでに、なにか会話をしなければ...!

そのとき、彼女の視線が一点を見つめていたのでその視線をおってみる。
ペンケースにつけているべりーちゃんを見つめているようだった。

思わず「コレですか?可愛いですよね」と話題を振ってみた。

好きな子に振る話題が自分の推し、ましてや可愛いVtuberのべりーちゃんだなんて...!

気持ち悪がられないか、不安だったが彼女はそんなそぶりは見せず。
むしろ、興味を示してくれてとても嬉しかった。


思わずオタク特有の早口説明をしてしまったが、彼女は嫌な顔をせず聞いてくれた。


あぁ、かわいい...好きすぎる...


こんな小さな事で舞い上がってしまうくらいには、僕はAさんに惚れているようだ。

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作品ジャンル:恋愛
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おすし(プロフ) - ココアさん» ココア様、ありがとうございます✨また次回作や番外編でお会い出来ますように…♡ (2022年7月25日 10時) (レス) id: f18e2ac31d (このIDを非表示/違反報告)
ココア - 完結おめでとうございます!!お疲れ様でした! (2022年7月24日 23時) (レス) @page41 id: 23123a7f78 (このIDを非表示/違反報告)
おすし(プロフ) - 後藤絵里さん» (はっ…!ありがとうございます!!)(ひっそりと修正しました!ありがとうございます!!) (2022年7月24日 18時) (レス) id: f18e2ac31d (このIDを非表示/違反報告)
おすし(プロフ) - アクシエイドさん» アクシエイド様、素敵なコメントありがとうございます!無事に完結出来て安心しております。また機会がありましたら、お会い出来ますように…♡ (2022年7月24日 18時) (レス) id: f18e2ac31d (このIDを非表示/違反報告)
後藤絵里(プロフ) - (最後の方の、「一緒にいれますように」が「一緒に入れますように」になってますよー…(^-^)/) (2022年7月24日 18時) (レス) @page41 id: 1a5db0f276 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おすし | 作成日時:2022年7月3日 23時

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