_ ページ16
急に知らない場所に放置されてしまい、失礼かと思いながらもキョロキョロと部屋を見渡す。
男の子らしい、というよりは剣持くんらしい落ち着いた色合いでまとめられた部屋は、当然と言えば当然だが、剣持くんと同じ匂いで満たされていて、思わず動揺してしまう。
ふと、デスクの近くにある棚にこの部屋に似つかわしくない色合いの物を見つけて近づいてみて、さらに動揺してしまった。
所狭しと並ぶ、Vtuberべりーのグッズの数々...
しかも、私の勘違いでなければ今まで出したグッズが全て並んでいる。
綺麗に並べられているもう一人の私は、私の思いとは裏腹に可愛い笑顔をこちらに向けている。
くそ、今だけはこの顔を見たくない...。
私がべりーのグッズを睨んでいると背後から声をかけられる。
「Aさん、紅茶でも良いですか？」
両手にグラスを持った剣持くんがちょうど部屋に入って来た。
慌てて振り向きありがとう、とお礼を伝えて近くのローテーブルのそばに座る。
私の前にグラスを置いた剣持くんは、とても申し訳なさそうに口を開いた。
「あの、実は今誰も家にいないみたいで...」
いつもは誰かしらいるんです！！本当ですから！！
そう続けて叫ぶ剣持くんは必死に故意ではないと主張する。
その姿が面白くて思わず笑ってしまった。
「あはは、大丈夫だよ」
剣持くんには悪いが、あまりにも必死すぎて声に出して笑ってしまった。
剣持くんは私の姿に目を開いてビックリしている。学校でも、こんな笑わない私が意外だったのかもしれない。
そんな剣持くんの表情がさらにツボに入ってしまい、今度は声を殺して笑う。
「そ、そんなに笑わなくてもいいじゃないですか」
少し、不満そうにこちらを見る剣持くんにごめんね。と謝る。
「Aさんって...」
「？なに？」
「.......いえ、なんでもないです。始めましょうか」
なにか言いたそうな剣持くんは、結局なにも言うことなく、勉強会をスタートさせた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 575人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「2j3j」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おすし(プロフ) - ココアさん» ココア様、ありがとうございます✨また次回作や番外編でお会い出来ますように…♡ (2022年7月25日 10時) (
レス) id: f18e2ac31d (このIDを非表示/違反報告)
ココア - 完結おめでとうございます!!お疲れ様でした! (2022年7月24日 23時) (レス) @page41 id: 23123a7f78 (このIDを非表示/違反報告)
おすし(プロフ) - 後藤絵里さん» (はっ…！ありがとうございます！！)(ひっそりと修正しました！ありがとうございます！！) (2022年7月24日 18時) (レス) id: f18e2ac31d (このIDを非表示/違反報告)
おすし(プロフ) - アクシエイドさん» アクシエイド様、素敵なコメントありがとうございます！無事に完結出来て安心しております。また機会がありましたら、お会い出来ますように…♡ (2022年7月24日 18時) (レス) id: f18e2ac31d (このIDを非表示/違反報告)
後藤絵里(プロフ) - （最後の方の、「一緒にいれますように」が「一緒に入れますように」になってますよー…(^-^)/） (2022年7月24日 18時) (レス) @page41 id: 1a5db0f276 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おすし | 作成日時：2022年7月3日 23時
