ハナオの過去 ページ10
「あー･･･お前さん達。流石に動きづらいんだけど」
あれから場所を移動していくらか奥に進んだと思う。
移動中、何故かグレープとリクが両手を塞ぎ、ラズにつけられた首輪から伸びるリードをラズが掴み、肩にはベリーが乗ると言う謎の合体マシーン状態になった私。
ほんっとうに動きにくいし何より･･･
「ブフ･･･に、似合ってるじゃんハナオ」
「子沢山みたいだな･･･プ、」
「hah.流石Sisterだな」
「ニェー･･･俺様も姉ちゃんと手を繋ぎたいぞ･･･」
よし･･･ハニーとマネーは後できっちりと話をしよう。
サンズは笑ってる場合じゃない。微笑ましくなんかないからね?
パップは可愛いし手繋いであげたいけど今はヤキモチ焼いてる場合じゃない。
「リク･･･お前さんまで手つながなきゃ駄目なの?」
「だって!･･･わたしも、ハナちゃんと手繋ぎたいもん」
「はぁ･･･そう」
もう諦めたよ。
好きにしてくれ。
「人間。貴様、ハナオと言ったな」
「んー?何エッジ」
あの件の時に出会ったスケルトンの一人、マスタードの弟のエッジがベグレープがいる方の隣に立って声をかけてきた。
「傷はいいのか」
「?痛くも痒くもないよ?何で?」
「そうか。ならいい」
ならいいって、もしかして気にしてくれたのか。
いかつい顔してるけど案外いいやつ?
「人間にしては随分と腕が立つのだな」
今度はリクの方の隣からコーヒーの兄ちゃんだって言うワインが声をかけてたきた。
割と年上だった事に若干驚いてる。
「まー、それなりに?」
「戦闘の経験でもあるのか?」
「そうだなぁ･･･何年か前まではやんちゃしてたからね」
「やんちゃ、と言うと?」
何だワイン。欲しがるねぇ。
まぁ隠してるつもりもないし、聞かれたら答えるつもりだったからいいけどさ。
「不良だよ。喧嘩上等、カチコミは当たり前･･･パト鬼じゃ、ケツ持ち担当でさ」
「??人間の使う用語か?」
「喧嘩上等ならまだわかるけどな」
ワインはこんな見た目で結構上品な奴だった。
マスタードは･･･なんとなくわかるよ。
だって出で立ちがまさにそうだし。
「ケツ持ちって何だ?お姉ちゃん」
「あー、バイクの最後尾に付く奴の事。ポリこ「ハナちゃん?」･･･お巡りの注意を引いて仲間を逃がすの」
うっかり昔と同じ呼び方しようとしたらリクに睨まれた。
呼び方ぐらいなんだっていいじゃんか･･･
あ、言っとくとパト鬼はマジで捕まるからマネはしないようにね。
逃げきってもあとから来るから。ほんとに。
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