遅咲きのkiss【風丸 一郎太】

Period9 ページ10

それから数日後の朝。

俺は今日、朝から親と喧嘩をした。
そして、まだ10分予定より早いが、彼女の家まで来た。

はーい、と声がして出てきたのは、まだパジャマ姿のAだった。
ってえ、ウソ。パジャマ姿見ちゃった…。
顔が少し火照った。

「あ、えと、おはよう」

彼女は少しポカンとすると、一気に顔が赤くなって、扉を閉めてしまった。

「え、ちょっと」
「い、いっくん、まだ時間早いよ?!」

うわずった声で扉の向こうからそう聞こえた。
そんなに恥ずかしかったのか。

「ちょっと色々あって…な」
「…どうかしたの？」

今度は落ち着いた声だった。
逆に俺は少し落ち込んだ声になった。

「親と喧嘩した。…俺が悪いんだけど」
「…そっか。まあ、そんな事もあるよ」

扉の向こうでAの微笑んでいる顔が頭に浮かんだ。
あと着替えるだけだからちょっと待っててね、と言われたら、階段を上る足音が聞こえてきた。
走ってない。ゆっくり、歩いている。

なんか淋しくなって、彼女の家の前の階段に腰を下ろした。





数分後、制服に着替えた彼女が出てきて、一緒に学校に向かう。
きっと、いつも通りの一日になるだろう。

そう、きっと、この後もずっと・・・



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新作です。

ほのかのじょ。【オリジナル】

オリジナル恋愛ものです。よろしくお願いします。

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