こちとら日本の魔法使いよ (ページ2)

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第１章もう一人の主人公ページ2

椿商店街四番町の本々夫妻は商売上手で馴染みやすいので有名だ。別に不思議とか神秘とか非常識を信じないお堅い夫婦では無いのは事実だ。しかし、真逆自分達の周辺に起こるだなんて考えたこともなかった。

本々夫妻は小さいお面屋を営んでいる。其れと言って特徴の無い、有るなら笑顔が印象に残る位良い人達なだけだった。本々夫妻には猫塚という男の子がいた。ちょっと変わってるけど気にしないで、というのが二人の周りへの意見だった。

さて、ある月曜日の朝の事だ。本々一家が目を覚ますと外は深い霧に覆われていた。今にも妖怪に朝の挨拶をされそうな位不思議な朝だった。本々夫妻は支度に着替え朝ご飯に御守りの忙しい朝で、其れどころではなかった。
屋根の上で四つ目の鴉がとまって欠伸をしていたが二人共気がついていなかった。
八時半、仕事着に着替えた父親は落ち着いた今、母親と朝の挨拶をしてから息子にもしようとしたが天井の隅を見て夢中になって笑っているので目に入れても痛くないと言う様に微笑んで退いた。硝子戸を引いて店を開いた時、初めて父親は異変に気が付いた。

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