みどりいろのきおく。 ページ29
チョロ松side
「……はぁ?!」
光に包まれた後僕が目を開けた先に見えたのは、なんと子供の頃の僕と、Aだった。
しかもAは布団の中でぐったりした感じで寝てて、その横に僕が座ってる。
……昔の僕は見た目的に小学六年生くらいか?だとするとAは四年生?
てかなんでこうなった?!
僕がぐわぁっと一人で騒いでいると、小さな声が聞こえた。
『……は、チョロ松、にーちゃ……?』
『うん、おはよ。どう?まだ苦しい?』
『だいじょ、ぶ……』
『良かった。はい、水』
……この会話を聞く限り、Aは何時間か前から熱を出して寝込んでて、それを僕がずっと看病してたってことか?
あれ、僕って昔こんな落ち着いてたっけ?とか思ったけど、そう言えば僕がおそ松兄さんとつるむのやめ出したのってこの頃ぐらいからか、と思い出す。
本格的にやめたのは中学生になってからだったけど、その前からちょっとは兆候はあったんだったんだよね。
『あり、がと』
『どういたしまして。
……よし、熱も大分下がった。明日ぐらいになったら、もう治ってるよ』
『……チョロ松兄ちゃん』
熱を測った昔の僕に、Aはまだ少し赤い顔で呟いた。
『なに?』
『もういいよ。大丈夫、だから。今からでも、兄ちゃんは遊んできて』
『……A』
ふ、と微笑んだA。
でもまだ熱が完全に下がったわけじゃないし、少し辛そうだ。
「!」
そこでハッと僕はこのときのことを思い出した。
確かこの日は、僕が友達と遊ぶ予定だった日だ。
でもAが熱を出して、他の兄弟はどっかに遊びに行ってていなくて。
父さんは仕事だし、母さんは手が離せなかったから、必然的に僕がAにつくことになったんだ。
弱ってるAを置いていくなんて、できなかったしね。
で、多分Aはそのことでかなり罪悪感を抱いている。
僕が久しぶりにプールに行く!って1週間前くらいから騒いでて、すごい楽しみにしてたのをきっとAは知ってるから。
でも。
『Aは優しすぎるんだよなぁ』
プールなんかよりも、弟の方が大事に決まってるってこと、Aは分かってない。
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紫垣(プロフ) - 続きが欲しすぎる (4月19日 19時) (レス) @page41 id: f62f374630 (このIDを非表示/違反報告)
はまち(プロフ) - ヤバい目から水銀出てもうた。゚(っ৹ т )゚。 (2022年10月25日 23時) (レス) @page41 id: 060e95838b (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - しばらく更新されていないので心配です…。夢主くん…助かって、お兄ちゃん達と仲良くしてほしい…。(๑o̴̶̷᷄-o̴̶̷̥᷅ ) (2022年3月19日 19時) (レス) id: 5f15beaff6 (このIDを非表示/違反報告)
折り紙(プロフ) - 目から水素水がァ…。更新頑張って下さいィ…。 (2018年8月4日 3時) (レス) id: 0b0984a937 (このIDを非表示/違反報告)
かすてら(プロフ) - この小説とても好きです!続き待ってます(*´-`) (2018年7月18日 16時) (レス) id: f0c376a462 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:●龍● | 作成日時:2017年1月10日 16時