【おそ松さん】六つ子の弟？違う、他人だ。 弐【男主】

他人？…が１１人 ページ12

Aside







俺が向かった研究所。

それは、デカパンが所長をやっているデカパン研究所だ。


アイツは変なものばっか作ってるけど、たまに怖いぐらすげぇものを発明するときがある。
俺がここに来たのはそれを期待して、だ。




兄貴たちの足を、これ以上引っ張らないように。



俺が、消えるために。







「おい、デカパン」





研究所に着いた瞬間、俺は声をかける。

すると、驚いた様子のデカパンが昔と全く変わらない姿で目の前に現れた。







「おお、Aくん！久しぶりダスね！元気にしてたダスか？」

「……まぁな」

「ホエホエ。それなら良かったダス。それで、用件は何ダスか？」

「……」







その質問に俺は一瞬黙った。

でもすぐにすぅ、と息を吸うと、デカパンのアホ面を見つめながら言った。






「俺の存在を、無かったことにしろ」



「！！」






するとデカパンは、かなり驚いた顔をして俺に聞き返してきた。








「存在を、無かったことに……ダスか？」

「そうだ」

「……今自分が何を言っているか、わかっているんダス？」

「今の今まで散々考えて決めたことだ。誰に何を言われようが、変えるつもりはねぇ」

「…………」






その俺の言葉を聞いて押し黙ったデカパンに、俺は確信した。








「持ってるんだろ。その道具」

「！！」

「よこせよ。じゃねぇと、力づくで奪う」









……親からもらったこの命を、この体を。
俺はどうしても捨てることができなかった。





でもその代わりに。





いつもかっこよくて、優しくて。

ずっと憧れていた、アイツらの中から。


俺との記憶を、俺との関わりを、俺が存在していたこと全てを。








　 『消す』ことにした。

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