【文スト】ポート・マフィアの中島君【男主】

○ ページ12

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「うわぁああああぁぁぁあぁああ！！！」


愚兄が何も持たずに突っ込んできた

大方、イチかバチかの賭けにでも出たのだろう

スっと避けて、芥川さんに譲る

すれ違いざまに銃を奪ったまでは良いが

『羅生門』の空間をも喰うと言う、半ば反則術を見せられ

流石の愚兄も絶望的な表情を隠せなかった

そして宣告通りに脚を喰われた

みっともなく叫ぶ愚兄

はーいと手を挙げて


「芥川さん。俺に殺らせてください」
「・・・完全に殺ったぞ」
「嫌だなぁ、仮にも人虎ですよ？俺の頑丈さ、知ってるでしょう？」
「・・・良いだろう」
「有難う御座います」


するりと芥川さんが退く

手と脚だけを異能化させて、ペロリと舌舐りをする

人虎の売りは其の丈夫さ

まあ、今の愚兄ならば、意識を飛ばして虎に身を任せてしまうだろう

瞬時に空を切る音がした

ガラリとコンクリートが崩れる音

見れば、半分だけ異能化した愚兄が居て

あぁ、矢張り、虎は白い方が美しいなと常々思った

完全に意識を飛ばしてるらしい愚兄は

何の躊躇もなく此方に爪を振るってきた


「そう来なくては・・・」









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