『私』 【おそ松さん】

25話 ページ26

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わたしは、姉が寝転がるベッドの横に立ち膝をして、至近距離から姉を眺める。


変わらぬ美しさに、ほぅ、ため息がこぼれる。



「お姉ちゃん……」



呼んでも返事は来ない。すやすやと、寝息を立てて眠ってる。



するとほろり、閉じられた瞳から真珠のように輝く何かが零れ落ちた。



「辛いなら、言ってよ。悲しいなら、頼ってよ……」


きゅっと唇を噛み締め、わたしは姉に囁く。



「お姉ちゃんが悲しいと、トト子も悲しいよ……。ねえ、助け合うのが姉妹でしょ……？一人で抱え込まないでよ」



わたしの独り言は、闇に吸い込まれる。



少しでも、姉に届けたい。そんな想いは果たして姉に伝わるのかどうか。



「お姉ちゃん、トト子、待ってるからね」



そう呟き、姉の頭を一撫でして、わたしはそっと姉の元を離れた。



その時、さくらんぼのようにつやつやとした姉の唇から



「とと、こ……」



そんな寝言が呟かれたことも知らずに、わたしは部屋を出た。



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