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21話 ページ22

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―――――――――……。



雨が降ってきたから、走って家まで帰ってきた。空を仰げば、雲は厚く、真っ黒な雲に覆われていた。



Aのことが心配だったが、十四松が付いてる。あいつはちゃんと、Aのことわかってる。だから大丈夫だ。



「うっわー、もう最悪。びしょびしょだよ」



重っ苦しいこの雰囲気を壊そうと、わざとらしく明るい声を出すトド松。



オレは


「トド松」



末っ子の名前を呼び、そして



「ッ、何すんの、おそ松兄さん!!」



思いっきり、トド松の顔を殴り飛ばした。後方に吹っ飛ぶトド松。


他の兄弟達は何してんだと目をまん丸にしてオレを見る。


トド松は殴られた方の頬をおさえて、上半身を起こしながらオレを睨む。


オレは、濡れた地面に吹っ飛んだトド松の方へゆっくりと、歩いていく。


先程までは感じなかった雨の冷たさ。今は、じわじわと冷たさが身体に浸透していく。


「痛い?トド松」


そう問えば、


「痛いに決まってんじゃん!」



怒鳴りながら立ち上がる。痛い、と訴えながら。


痛い、か。


「じゃあさ、Aは?お前にぶたれて、どうだったと思う?」

「何言って、」

「答えろトド松」


急に声のトーンを変えて話し出したオレに、びくりと肩を揺らしながらも


「で、でもぼくは、おそ松兄さんより力を弱めたから……」

「そーいう問題じゃねーよ。トド松お前、本気でAがトト子ちゃんのこと大事に思ってないと思ってんの?」

「え、」

「一松も。つーか全員、よく聞け。お前ら、Aの目、見て喋ったことある?」

「……顔、いつも前髪で隠れてんじゃん」


不機嫌そうに、一松がオレの問に答える。



「……何もわかってないのはお前らの方だ。……Aがああなっちまったのは、オレらの責任でもある。何もわかってないお前らが、あいつに文句言える立場じゃねーよ。考えろ、もっと、Aのことを」



オレの言葉に兄弟達は何も返さず、ただただオレをじっと見つめるだけだった。



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この前のあいつ(プロフ) - おみかんさん» 全部見てくださったのですか!嬉しいです!応援ありがとうございます! (2016年3月24日 10時) (レス) id: d7f15c5c72 (このIDを非表示/違反報告)
おみかん(プロフ) - こんにちは!作風すごく好きです。小説3つすべて拝見しました。とても素敵でどれも続きが楽しみです。応援してます。 (2016年3月22日 5時) (レス) id: 9b40e47e5e (このIDを非表示/違反報告)
この前のあいつ(プロフ) - 魔女?さん» わかりにくくてごめんなさい。主人公は栗毛の子なんです。プロローグは、妹のトト子ちゃんの方を先に書いたんです。本当に混乱させてしまってすみません。 (2016年3月9日 11時) (レス) id: 5a53ac0796 (このIDを非表示/違反報告)
魔女? - 私が違ったら、すみません。 (2016年3月9日 11時) (レス) id: f29a288e89 (このIDを非表示/違反報告)
魔女? - 主人公ちゃんは、黒髪ロングだったと思うんですが……? (2016年3月9日 11時) (レス) id: f29a288e89 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:この前のあいつ | 作成日時:2016年1月23日 21時

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