白のG.S. ページ26
ひとらんside
20年くらい前だったかな
ほとんど忘れちゃったけど、ひとつだけ確かに覚えていることがあるんだ
.
『うっ、グス』
『にーちゃん、どうしたの？』
『ひくっ、うっ、え』
『ねえ、わたし、にーちゃんがないてるのいやなの。
わらってよ』
口癖だったそれを言いながら差し出された四つ葉のクローバー
元々はただの三つ葉のクローバーであっただろうそれは、テープで無理矢理もうひとつの葉が加えられていた
『これね、みーんなみっつなの。
でもね、よっつをみつけたらシアワセになれるんだって！』
いつの間にか乾いていた目で見たそれは、酷く歪で、
ぐしゃぐしゃで、
醜くて、
何よりも温かかった
『もしよっつをみつけたら、にーちゃんにいちばんにあげるね！
やくそく！』
その会話を最後に
君はいなくなった
.
あれから月日は経って
父が死.に、行き場を無くした俺はグルッペンに拾われた
〔お元気ですか
俺は今、君が見たこともないような果物や野菜を作ってるよ
君が見たら、きっと驚くんじゃないかな
ねえ、
君は、どこにいるの？
何してるの？
.
会いたいよ〕
目から溢れてきたナニカで滲んでしまった最後の一行を、
白のインクで消して
丁寧にたたんで封をした
宛先の無い手紙は、一度も届くことは無かったけど
.
『おれも、四つ葉を見つけたら、絶対に一番最初に渡しに行くよ
.
.
.
A』
ある日面接に来た女の子と、いつかの君の影が重なった
有り得ない
生きていたのかすら分からなかった彼女が
俺の目の前にいた
言いたかった
ひとらんらんだよ
お前の、にーちゃんだよ
って
でもそれは、喉元に詰まったまま
出てきてはくれなかった
決して楽ではない人生を歩んできた君に
一度も傍にいてやることが出来なかった俺を
許して貰えるかどうかが不安だったんだ
馬鹿だよね、俺
昔から真っ直ぐで、曲がったことが大嫌いな君が、俺を恨むわけ無いって
分かりきってたのに
.
頼り無いにーちゃんでごめんね、
一人にさせてごめんね
「にぃ、ちゃん……？」
ht「うん」
「ッにーちゃん、」
ht「う''ん、ッ」
「に''ぃちゃ、に、ちゃ、あぁっ」
もう、一人で泣かなくて良いんだよ
.
俺も
.
君も
.
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とぅび - （哲学）さん» んぁぁあ！！(ToT)いつも文字数ギリギリで詰め込んでるので、読みやすいと言って頂けるなんてもう……好k(((ｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ)本当にコメントありがとうございます！(哲学)さんの期待に添えられる様、精一杯頑張ります！ (2018年3月11日 22時) (
レス) id: 15cad6d40c (このIDを非表示/違反報告)
（哲学） - ショッピくんとショッピング…思わず吹き出してしまいましたw読みやすいしセンスあって好きです！更新頑張って下さい！応援してます！！ (2018年3月11日 21時) (レス) id: ff2146be28 (このIDを非表示/違反報告)
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