□白 ページ24
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いい感じに焼けたハンバーグの上にとろけるチーズを乗っけて、ふぅと息を吐くと、「ただいまー」とおそ松さんが廊下を歩く音。
「あれ、カラ松台所覗いて何やってんの?」
「え?」
おそ松さんの声に振り返ると、台所の扉にもたれて、いつの間にか私を見ていたカラ松さんがいた。
気がつかなかったから驚いた。
おそ松さんは「ていうかいい匂いする!」とドドドとこちらにかけてくるとぴょーんとカラ松さんに飛びついた。
「あれ、A」
「おそ松さんおかえりなさい」
「ただいま。なにやってんの?」
「チーズハンバーグ作りました」
「俺のためにな」
「えっまじで!?うまそー!」
ドヤッと言うカラ松さんに、おそ松さんに「言っとくけどカラ松!Aの手料理、超美味いから!」と自分のことじゃないのにドヤ顔で語られて、「どうも」と笑う。
「…男に作るのが初めて…ってわけではないのか」
「Aの初めては俺がもらった。悪いな」
「その言い方やめてください。あ、ていうかおそ松さん!!私が処女とか、十四松くんに変なこと吹き込まないでください!!」
「え、違うの?」
「…」
「…白…つまりそれは今から何色にでも染められるということだ。恥なくていい」
「そうだぞA。恥ずかしがらないで」
「うざいんですけど」
両側から語りかけてくる二人をスルーしながら七つのお皿に盛り付けると「完成!」と満足の仕上がりだ。
二人に運ぶのを手伝ってもらって、居間の卓袱台までお皿を持っていく。
みんな嬉しそうにハンバーグを見ると「いただきまーす!」と食べ始めた。
「Aちゃん、クッキーもらった時も思ったけど料理すっごい上手いよね」
「えへへ、ありがと!」
「うめぇ…」
「うま!」
パクパクと食べてくれている6人に嬉しくて思わず笑う。私もパクリと食べると、なんだかいつもより美味しく感じた。
「A酒は?」
「…買ってませんけど」
「よし、チョロ松買ってきて」
「誰が行くか!!」
軽い喧嘩の始まる二人を苦笑いで眺める。
私の隣で黙々と食べ続けているカラ松さんに気づいて、思わず顔を覗き込む。
「美味しいですか?」
「…あぁ。美味い。ありがとう」
「いえ、こちらこそ、朝はありがとうございました。お礼ができてよかったです」
嬉しくてにやける頬を押さえながらぺこりと頭を下げたら、「店出せるよ店ー!!」と十四松くんが嬉しそうにおかわりを要求してきた。
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