【 おそ松さん 】学生むつごと恋する短編集 3

授業中 【 トド松 】 ページ7

トド松side
_______________________________________

先生 「 …という式で計算して… 」





眠い眠い、午後の授業









先生の話もろくに聞かず、ノートも取っているフリで
後ろの方の席なのをいいことに、ウトウトしていれば








ﾌﾞﾌﾞﾌﾞ、とスマホのバイブが鳴る





誰、こんな時に









「 … 」





授業中だけど、
机の下で隠しながらスマホを弄れば







Aからだ









同じクラスにいんのになんでメール?
しかも授業中…






そんな彼女の行動に少し呆れながらも嬉しい僕がいて
届いたメールを開けば



" 寝ちゃダメだよ "



の、一言









僕よりも2つくらい斜め後ろの席に座っているAに
周りにバレない程度に振り向いて視線を送れば

あっちもそれに気づいて






『 ! 』



ぱちっと、無駄に上手なウインクしてくる







「 っ… 」




あーくそ。
かわいい









ぱっと視線を自分のノートに戻せば
またﾌﾞﾌﾞﾌﾞ、と鳴る僕のスマホ




" トド松くん、だいすき "









「 ちょっ…! 」


先生 「 ん? どうした松野ぉ 」


「 えっ、あ! いえ!! 」









思わず声が漏れてしまった




いやだって、さぁ。









授業中にんなメール送ってくんなよ…!!

何この少女漫画みたいなやつ









授業中にやめてよ、そういう視線をもう一度振り向いて彼女に向ければ

今度は悪戯な笑みで僕を見る









あーもうほんとに
こんなのずるいでしょ







完全に押され気味の僕だけど
あんな可愛いことされちゃ、そりゃ負ける









だけど、なんとなく悔しいから

" 後で覚悟しろよ "



なんて、ちょっと意識してもらいたいメールを送ってやればそれきり返信が来なくて









様子を伺うため、また少し振り向いて彼女を見れば
さっきの余裕そうな顔から一変

顔を少し赤くして、何やら口元を手で抑えている








その反応に、また可愛いなんて思っちゃって。









別に黒板を写す気もない真っ白なノートに
早く授業終われ、なんて書いてみる

美術の授業 【 カラ松 】→←屋上 【 十四松 】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す