教科書 【 トド松 】 ページ36
※付き合っていません
トド松side
_______________________________________
『 うわ、やば… 』
授業中、隣の席から小さく声が聞こえた
何かを探してる様子の、僕の隣の席のAちゃん
その子の机の上を見る限り、
あー、教科書でも忘れたかな。
隣の席なわけだし、僕の見せてあげようかと
声をかけようとすれば
『 ね、教科書忘れちゃってさ
見せてくれない…? 』
あっちから声を掛けた
……でも僕にじゃなくて、
反対側の男子に。
なんで僕じゃないの
なんて、彼氏でもないのに変な独占欲
『 て、えっ、トド松くん? 』
隣の席の男子がAちゃんに教科書を見せる前に、
ゴチン、と僕の机をくっつける
「 僕の、見せてあげるから 」
『 え、あ、ありがとう 』
隣の席でよかった
だって、好きな子とこんなに距離が近い
『 トド松くん、優しいんだね 』
ありがとう、そう小さく笑うから
ちょっと照れる
別に優しいわけじゃなくて、
ただ僕が独占したかっただけなんだけど
「 どういたしまして 」
そう言葉を返せば、また小さく笑って。
その顔、かわいいなあ
2人でひとつの教科書をのぞき込みながら
授業を受ける
けど、まともに授業なんて聞いてられない
近すぎて、心臓はドキドキしっぱなし。
おまけに、Aちゃん、いい香り
シャンプーかな
その香りに酔って、くらくらドキドキ
『 あ、トド松くんて、字可愛いんだね 』
ふわふわしたその空気に飲まれていれば
Aちゃんが、僕のノートを見たのか、そんな言葉をかけられる
「 そう?
Aちゃんの方が可愛いと思うけど 」
『 えー、私、字汚い方なんだよ 』
そんな風に言って、困った様に笑ったその顔
ほら、
僕の字なんかより、何百倍も可愛いじゃんか
その時間の授業は、何一つ聞いてないまま
終わりのチャイムだけが聞こえた
次は僕が、教科書忘れようかな
なんてね
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 106人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しゃび(プロフ) - ごはん(50)さん» コメントありがとうございます。そこまで褒めて頂いてとても嬉しい限りです…！沢山あるおそ松さん作品の中から私の作品を読んで頂いてありがとうございます！更新はまちまちになってしまって申し訳ないですが、これからも頑張りますのでよろしくお願いします！ (2019年8月23日 18時) (
レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
ごはん(50)(プロフ) - こんにちは!!しゃび様の作品全部見させて頂きました!!どれも最高です。この様な短編集やおそ松さん作品の中でもしゃび様の書くお話が一番好きです。お気に入り作者登録も失礼ながらさせて頂きました!! (2019年8月20日 17時) (レス) id: 535205595b (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - 苺夢さん» 時間はかかってしまいますが、それまでお待ちいただければ幸いですし、なるべく詰まらないようにこちらも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2018年12月29日 9時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - 苺夢さん» こちらまで読んで下さりありがとうございます！とても嬉しいです。辞める、と言うよりは一旦おやすみということなので、勿論チョロ松のオンリー短編集も書かせていただきますし、全員書き終わったらまたこういった短編集を再開しようと思っております。 (2018年12月29日 9時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
苺夢(プロフ) - やめちゃうんですね、。でも！推しがチョロ松なので気長に待ってます！あ、えと、焦らないでくださいね！しゃびさんの作品読み返して気長に待ってます！これからも頑張ってください！！ (2018年12月28日 22時) (レス) id: 4fd2aa824a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しゃび | 作成日時：2018年9月1日 0時
