【 鬼滅の刃 】伊之助さんとそんな日々【 嘴平伊之助 】

伊之助さんがどんぐりをくれた日 ページ31

ああもう私の馬鹿

恋心を自覚してからというもの、まともに伊之助さんの顔を見れなくなってしまった
会話もままならなくて逃げてしまう



『 落ち着け私…
別に恋心がなんだって言うの 』



自覚したからって、何か変わるわけじゃない
今まで通り伊之助さんに接すればいいのに

何だか無駄にドキドキしてしまう

こんなに厄介なの? 恋心って



『 避けてばっかで申し訳ない… 』



声かけられても何か理由をつけて避けてしまう
だから余計にどんどん恥ずかしくなって、中々前みたいに話す事が出来ない

でも、やっぱり話したいし、会いたいし
一緒にいたいな



『 ほんと厄介な気持ち 』



不思議とそれが嫌じゃないけど



｢ オイA!! ｣

『 ! い、伊之助さん 』



うわ、伊之助さんのこと考えてたらまさにその張本人が目の前に

逃げ出そうとして、ぴたっと止まる
このまま逃げ続けても、意味ないし

伊之助さんと話せなくなるのは、嫌だ



｢ これ、やる ｣

『 ? 何ですか 』

｢ ン!
どーだ、お前のために俺様が見つけて来てやったんだぜ!! ｣

『 ど、どんぐり…? 』



何か差し出されるから受け取れば、私の掌の上にはコロン、と大きなどんぐりが



｢ ツヤッツヤのピカッピカだろ!! ｣

『 そ、そうですね 』

｢ しかもでけぇだろ!! ｣

『 大きいですね 』



何故にどんぐり…
伊之助さんらしいっちゃらしいけど



『 何でこれを私に? 』

｢ …お前が、最近避けるから
緊張するとか訳わかんねぇこと言いやがるし ｣

『 う、すみません… 』

｢ 緊張なんてする必要ねぇだろうが!
それに避けられんのは何か、なんか… こう、
モヤッってすんだよ!! ｣



この辺がッ! と自身の胸をバンっと叩く

ああ、もしかして
寂しい思いをさせてしまっていた?



｢ そのどんぐりやる!
だからこれからもう俺を避けたりすんじゃねェ!! ｣

『 ふ、ふふっ、あはは、もう、伊之助さんたら 』

｢ 何笑ってやがる!! ｣



可愛らしい人だ

私の為にわざわざどんぐり探してきてくれたの?
嬉しいなあ

またドキドキ、胸が鳴る

でももう、変に緊張しない



『 好きだなあ 』

｢ あ? 何が ｣

『 ッ!! あ、え、えと、そのッ
ど、どんぐりが! どんぐりが好きです!! 』

｢ ! そーか!
どんぐり好きなのかお前!! ｣



後日、私の元に大量のツヤツヤなどんぐりが贈られてきた

伊之助さんが久々に怪我をした日→←伊之助さんを避けた日

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す