【 鬼滅の刃 】伊之助さんとそんな日々【 嘴平伊之助 】

伊之助さんが名前を呼んだ日 ページ3

｢ オイ晶子 ｣

『 … 』

｢ オイ牧子 ｣

『 …… 』

｢ オイ!! 無視してんじゃねーぞ竜子!!! ｣

『 誰ですかそれ!!! 』



さっきから呼ばれる名前、それ全然違うんですけど
私の名前、Aって言うんですけど。



｢ お前のコトだろーがッ ｣

『 申し訳ないけど私、晶子でも牧子でも竜子でもないので! 全然違うので!! 』

｢ ハーァ?? じゃあ蘭子! ｣

『 だから誰ですか!! 』



あれ、私この人に何度も名前教えてるのに
何でこんなにも違う名前を呼ばれるのか

まぁあれだけ一緒にいる炭治郎さんや善逸さんでさえまともに名前呼ばれてること少ないけど



『 私の名前、教えましたよね
忘れたんですか 』

｢ さっきから呼んでんだろ ｣

『 全然違うって言ってるでしょうが 』



もう、キリがないなあ
わざとやってるのかこの人は。

別にいいんだけどさ、覚えてなくても
でも何となく、何か、なんかね、

伊之助さんに名前呼ばれたいとか



『 は…っ、そ、そんなこと思ってない思ってない!! 』

｢ いきなりなんだよ ｣

『 い、いえなんでも… 』



ああもう、我ながら馬鹿馬鹿しい
そう言えば私今布団を干してる最中だった

そう思ってまた、布団を干していた手を動かして仕事に戻る



『 そういえば伊之助さん、昼食後の薬ちゃんと飲みました? 』

｢ 飲んでねぇ ｣

『 はぁ、全く。
飲まなきゃ治るものも治りませんよ 』



今日はちゃんと大人しく安静にしてると思ったけど、薬飲んでないなんて
後でちゃんと飲ませなきゃなあ



｢ A ｣

『 はいはい、なんです… 』

｢ 今日の晩飯何だ ｣



…あら、今、何て?
確実に彼の口から発せられた私の、名前

はた、と思わず手が止まる



『 い、今… 伊之助さん 』

｢ ッハァ!? ｣

『 えっ、何 』



呼ばれた名前に驚いて伊之助さんの方に目をやれば、今度はあちらが驚いて、何故か変に構えて遠ざかる



『 伊之助さん? 』

｢ 晩飯、お、俺かよ!!? ｣

『 えっ、あ、違ッ 』



何か勘違いされたようだ
何…? 晩飯?


｢ 俺を食う気か…
いいぜそっちがその気なら ｣

『 へ、』

｢ 俺様と勝負だァッ!! ｣

『 ヒッ、ぎゃあっっ! 』

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