伊之助さんと綺麗な景色を見た日 ページ8
「 こっちだこっち!! 」
『 は、はあ 』
何故か私は伊之助さんに連れられて山を登っている
「 この奥にすげぇモンがあんだよ!! 」
『 何ですかそれ 』
「 着いてからのオタノシミだッ! 」
ワクワクしている伊之助さんに引っ張られるように連れていかれた山の奥
大分高い所まで来た気がする、疲れた
「 着いたぜ!! 」
『 ここですか 』
「 ホラどーだッ すげぇだろ!? 」
『 お、おぉ… 』
道と言えるのか分からない道を散々歩いて辿り着いた場所
案内されたそこはかなり開けた場所で、そこから見える景色は息を飲むほど綺麗だった
『 湖がキラキラして見える… 』
「 俺様のお気に入りの場所のひとつなんだぜ 」
『 へえ… 』
案外伊之助さんにも風情というものがあるのか
ここから見える景色をいきいきとした表情で眺める伊之助さん
まさかこの人にこんな綺麗な場所を案内されるなんて
「 山はすげぇだろ!
トカイなんて所じゃ見れねぇ景色がいっぱいあんだぜ 」
『 初めて見ました、こんな綺麗な景色 』
喧騒まみれる所謂都会と呼ばれるそこで生まれ育った私だから、こういう大自然にはあまり縁がない人生だった
流石山の王というか、山のことなら何でも知ってると胸を張る伊之助さんに感心する
「 ここに俺以外の人間が来んのお前が初めてだぜ 」
『 え、そうなんですか? 』
「 俺様のナワバリだからなッ 」
『 そんな所に私来ちゃっていいんですか 』
ナワバリなんて動物的
伊之助さんらしいな
「 …まァ、お前だし
俺が案内してやってんだからいーんだよ 」
『 そうですか 』
伊之助さんにとって大切な場所に、私が来れたこと
少し特別みたいで嬉しかったり
「 お前はトクベツだ!! 」
『 !
あ、ありがとう、ございます 』
「 ? 顔赤ェぞ 」
面と向かって特別なんて言われたら、そりゃ照れる
顔見れなくて逸らせば、不思議そうに覗き込まれるからもっと逸らす
『 そろそろ戻らないと 』
「 まだいーだろ 」
『 仕事残ってるんです 』
他の人に迷惑かけてもいけないし
それよりここに、これ以上いると何だか
ドキドキしてしまって
「 じゃあまた連れてきてやるよ 」
『 お願いします 』
「 次はお前のオススメの場所も教えろ!! 」
『 おすすめ、ですか 』
何だかそれって、逢引の約束みたいだ
馬鹿、何を考えてるんだろう
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しゃび(プロフ) - 羅門茶.さん» コメントありがとうございます。一気読みしていただけて嬉しいです!伊之助が大好きなのでその気持ちを爆発させて書いた小説なので個人的にも思い入れの深い作品になっています。嬉しいお言葉もありがとうございます! (2020年6月1日 22時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
羅門茶.(プロフ) - 素晴らしい作品で一気読みしてしまいました(T ^ T)この作品大好きです、、 (2020年5月23日 15時) (レス) id: efacd8ff92 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - Znさん» コメントありがとうございます。恋愛に対して不器用で可愛らしい伊之助を書きたかったのでそう言って頂けて嬉しいです...!嬉しいお言葉ばかりありがとうございます。他の作品も拙いものばかりですが少しでも楽しんで頂けたら幸いです。 (2020年3月10日 10時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
Zn(プロフ) - 本当に素晴らしい作品に出会いました!!もう毎話毎話伊之助の可愛さに震えてました、、他の小説も読んで見ようと思います。 (2020年3月8日 21時) (レス) id: 5d97af5082 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - 饅頭さん» コメントありがとうございます。神だなんて勿体ないお言葉ありがとうございます...!思い出深い作品なのでそう言っていただけてとても嬉しく思います。完結してる作品ですが、暇な時にでも読み返して貰えたら幸いです! (2020年3月2日 11時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃび | 作成日時:2020年2月7日 18時