【 おそ松さん 】チョロ松の奴、恋したらしーよ。【 チョロ松 】

25. 要らないとは、 ページ26

『 こーんにーちわー!! 』


「 朝からうるさい 」




今日も来た
僕の家の前で大きな声で挨拶するAさん

朝と言ってももうお昼だけど
さっき起きた僕からしたらまだ朝なわけで。




『 チョロ松くんパジャマですか？それ 』


「 ああ、うん
さっき起きたからね 」


『 お寝坊さんなんですね! 』




パジャマ姿も素敵です! なんてスマホを構えてくるから辞めろと言うようにカメラ部分を手で隠す



「 で? 今日は何の用なの 」


『 あ、そうそう! 今日はですね〜… 』



そう言いながら、手に持っていた紙袋の中をゴソゴソ漁り出すAさん



『 はい、これ!
チョロ松くんの為に作ってきたんです 』


「 何これ? 」


『 クッキーです!! 』



その紙袋の中から何やら取りだしたと思えば、大きめのタッパーを僕にずいっと差し出す

クッキーなんて、へえ。



「 意外と女子力あるんだね 」


『 え? 惚れ直したって? 』


「 言ってねーよ 」



いつも通りのAさんに呆れながらも、そのタッパーを受け取って蓋を開けてみる



「 ………え? ごめん、もう一度聞くね
これ何?? 」


『 クッキーです 』



語尾にハートがつきそうなトーンでニコリと笑うAさんに思わず顔が引き攣る

いやこれ……



「 何これ黒焦げじゃん!!?
形も歪だし… これどう見てもクッキーには見えないんだけど!!? 」


『 え、そんなことないですよ!
ちゃんと愛情込めて作りましたよ 』


「 いや気持ちは嬉しいけど… 」




やばいだろ、これ。
なんかタッパーの中で宇宙生まれちゃってるよ

どう見てもクッキーに見えないソレを見る限り、料理上手じゃないんだなと察しがつく


けど。あれ



「 … 」


『 ? どうしました? 』



よく見ればAさんの手、絆創膏だらけだ
僕の為にって言ってたけどもしかして

普段しない料理なんてもんをしたから、指たくさん怪我したのかな、なんて。



『 み、見た目はアレですけど味は美味しいです!
ほんとですよ!? 私が保証します! 』


「 いやこの宇宙みたいな物体作り出した本人にそれ言われても説得力ないんだけど 」



説得力なんてもん、ないんだけどさ



「 …でもまぁ、作ってくれて、その
ありがとね 」


『 !! 』


「 食べるよ、わざわざありがとう 」



僕の為にそんなに頑張ってくれたもの、無下にするわけないよね


あーもう、くそ。
体は正直で、心臓がドキドキうるさい

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言ってない。

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