洋服 【 一松 】 ページ35
一松side
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『 どう? 似合ってる? 』
今日は彼女のAの買い物に付き合うため、とあるショッピングモールに来ている
気に入った服をいくつか試着室に持って行って、
ひとつひとつ着ては俺に見せてくる
「 微妙 」
『 ええ!? 微妙!? 』
これ可愛いと思ったんだけどな〜、なんてガッカリしながらまた試着室に戻っていく
いや嘘だよ
ホントはすっげー可愛いし、似合ってるけど
「 んな可愛い姿、他の奴に見せられっかよ 」
そんな理由で俺は、彼女の選ぶ服を否定する
『 一松〜 』
と、
いつの間にか、また新しい服を着て見せに来たAに呼ばれ、そちらに目をやる
『 どう? これは結構似合ってない? 』
あーやばい。
かわいい。
「 いやだめ、それはだめだわ 」
『 だめって何!? 似合ってないって言われるより傷つく!! 』
はぁ〜、なんてわざとらしく落ち込むA
『 じゃあ一松はなんならいいの? 』
「 え 」
そりゃそうだよな
全部否定されりゃ、じゃあ何ならいいんだってなるよな
「 いやごめん、別に、嫌なわけじゃないっていうか… 」
『 え?
じゃあなんで全部否定してくるの 』
あー俺、素直に褒めてやればいいのに。
「 いやあの… 」
中々喋ろうとしない俺を、下から覗き込んでくるA
『 ん? 』
「 だからっ、そのっ…
あーもう!! 」
恥ずかしいけど、言わなきゃ伝わらないし。
「 似合いすぎてんだよ… 」
『 ……え? 』
「 似合いすぎてるから、可愛いから、
そんな姿を他の奴に見られたくねーんだよ!! 」
俺らしくもないけど。
でも言ってよかったと思えるほど、Aの顔は嬉しそうで
『 い、一松ぅ!!
そんなこと思ってくれてたんだ!! 嬉しい!! 』
「 分かった分かったから、声でかい 」
嬉しそうにしながら、今まで試着していた服をレジに持っていくA
「 え、それ買うの 」
『 うん、だって一松が可愛いって言ってくれたから 』
あー、そーですか。
こんな俺の意見なんかに、嬉しそうにしちゃって
そんで服買っちゃって。
「 ほんとかわいい 」
『 何? 』
「 …ほんと物好きって言った 」
いやもう、めっちゃ可愛いよね。
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しゃび(プロフ) - 苺夢さん» コメントありがとうございます。好みと言って下さり嬉しい限りです...!拙い短編集ですがお楽しみいただければ幸いです。短編集は幾つか続編もありますので、興味があったら是非そちらもよろしくお願いします。本当にありがとうございます! (2018年12月27日 23時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
苺夢(プロフ) - すごい好みの作品です!!まだ読み始めたばかりなんですけど(笑) これからも沢山読ませていただきます!いろいろと、頑張ってください!! (2018年12月27日 23時) (レス) id: 4fd2aa824a (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - Fall ill appleさん» コメントありがとうございます。神なんてとてもとても... ですがそう言っていただき本当に嬉しい限りです。こんな短編集ですが、楽しんでいただけているのなら幸いです。本当にありがとうございます。 (2018年7月27日 19時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
Fall ill apple(プロフ) - 面白いというか神ですね。素敵な短編集をありがとうごさいます。本当にリスペクト。 (2018年7月26日 19時) (レス) id: 1efb67011f (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます。長編の小説も同時更新していますので、そちら優先になってしまい、短編集の方は思いつき次第の更新になりますが、それでも気長にお待ちいただければ幸いです。 (2018年7月19日 18時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃび | 作成日時:2018年7月1日 22時