初めて 【 一松 】 ページ18
一松side
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｢ ん… ｣
窓から差し込む光で目が覚める
見慣れない天井に、いつもの布団ではないベッドの上
ここがどこだか理解するのに少し時間がかかったが
だんだん思い出してきた
そうか、ここ、ホテルだ
昨日の夜、俺はAと初めての夜を過ごして…
｢ ﾆｬｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱｯｯｯｯ ｣
全てを思い出し、恥ずかしくなった俺は
ベッドの上で1人変な奇声をあげる
って、
｢ あれ… A…? ｣
ふと隣を見ると、本来ならAが寝ているであろう場所はぽかんと空いていた
｢ どこいった…? ｣
まだ寝ぼける頭を何とか回転させ考えを巡らす
と、ひとつの答えにたどり着いた
｢ もしかして、昨日良くなかった、とか… ｣
昨日はただただ愛を感じるのに必死で
その快楽に身を任せていたというのもあり、細かい事までは覚えていない
その時に俺、何かやらかしたのか
それに愛想尽かして、先帰っちゃったとか…
こうネガティヴ思考になったらもう立ち直れない
どんどんマイナスな考えばかりが浮かんでくる
どうしよう、俺…
『 あ、起きた?
一松くん 』
マイナス思考に苛まれていると、急に呼ばれた名前
反射的に振り返るとそこには
シャワーを浴びていたのか、髪がまだ濡れているAが立っていた
｢ え、あれ…
帰ったんじゃなかったの ｣
『 え? なんで? 』
きょとんとした顔で俺を見つめる
｢ 起きたら、隣にいなかったから…
てっきり昨日俺なんかやらかして、それで嫌になって帰っちゃったのかと思った…｣
ボソボソと、俯きながら話す俺に
ゆっくり近づいてくるA
『 そんなわけないじゃん
昨日私、すごい幸せだったんだよ
この時間がずっと続けばいいのにって思うくらい 』
今も十分幸せだけどね、なんて俺の顔を覗き込んではにかむAに、グラッと俺の中の何かが揺れる
｢ そ、そう… それなら、よかった、デス ｣
なんだか恥ずかしくて、顔を逸らす
『 …あの、さ 』
ちょっと沈黙があったあと、Aが口を開く
『 も、っかい、とか… ダメですか 』
その言葉に、俺の中でプツンと切れる何か
｢ んなこと言われたら
嫌でも我慢、できないんですけど ｣
そう言いながら、Aの肩をトンっと優しく押し、ベッドに寝かせ、噛み付くようなキスをする
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しゃび(プロフ) - 苺夢さん» コメントありがとうございます。好みと言って下さり嬉しい限りです...！拙い短編集ですがお楽しみいただければ幸いです。短編集は幾つか続編もありますので、興味があったら是非そちらもよろしくお願いします。本当にありがとうございます！ (2018年12月27日 23時) (
レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
苺夢(プロフ) - すごい好みの作品です！！まだ読み始めたばかりなんですけど（笑） これからも沢山読ませていただきます！いろいろと、頑張ってください！！ (2018年12月27日 23時) (レス) id: 4fd2aa824a (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - Fall ill appleさん» コメントありがとうございます。神なんてとてもとても... ですがそう言っていただき本当に嬉しい限りです。こんな短編集ですが、楽しんでいただけているのなら幸いです。本当にありがとうございます。 (2018年7月27日 19時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
Fall ill apple(プロフ) - 面白いというか神ですね。素敵な短編集をありがとうごさいます。本当にリスペクト。 (2018年7月26日 19時) (レス) id: 1efb67011f (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます。長編の小説も同時更新していますので、そちら優先になってしまい、短編集の方は思いつき次第の更新になりますが、それでも気長にお待ちいただければ幸いです。 (2018年7月19日 18時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃび | 作成日時：2018年7月1日 22時
