【 おそ松さん 】むつごと恋する短編集

あざとい 【 トド松 】 ページ19

※夢主のクセが少し強いです
トド松side
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僕の彼女はあざとい





『 ねっトド松くん、おねがぁい 』




語尾にハートをつける勢いで上目遣いでおねだりしてくる


僕に奢らせたい時だけ、ね






「 ちょっとA…
その性格どうにかした方がいいんじゃない? 」




デート中に入ったカフェで、そんなことを彼女に言ってみる




『 え、何が? 』


「 だーかーらー
奢ってほしい時だけ変にあざといの。
普段はそうでもないくせにさ 」


『 あ〜…
でもトド松くん、人のこと言えないよ? 』




言い返してやったり、という顔でニヤッとした顔をこちらに向けるA




カチン。





「 いやいやいや、僕はあざといんじゃないの
可愛いだけなの、可愛いからそう見えちゃうのは仕方ないかもしれないけど、単純に可愛いだけ! 」


『 そんなん言ったら私だって可愛いだけですぅ 』


「 はぁ〜?
A、自分が思ってるほどそんなに可愛い方じゃないからね!? 」




いや嘘、すっげー可愛い


素直になれずに意地を張って子供みたいに言い返す僕




『 え〜傷ついた
ねぇトド松くん、慰めてよ 』



僕の手にそっと触れながら、目を潤ませてこちらをちらっと見てくる


いやここカフェだから!
何ちょっとグラッと来てんだ僕!!



「 っ… 」


『 …ふふっ 』



どうしていいか分からず、Aから視線をずらしていたら、視界の隅で彼女が笑ったのが見えた



「 なに… 」


『 いや、トド松くん、可愛いな〜って 』


「 …は!? え、何がっ 」


『 あれ、自分のこと可愛いとか思ってるくせに言われると照れるんだ 』


「 いやっそれとこれとは別!! 」


『 トド松くん、私のこういうあざとい所弱いもんね
だから余計にしたくなっちゃう 』




これは完全に舐められている…




「 で、でも僕は、女の子は作ったあざとさより、自然体な可愛さの方が好きだし?
だから変にあざといのはなんか違うって言うか? 」



意地を張って変なことを言ってしまう

ああどうして、
この子の前だと素直になれない




『 ふふ、ね、どうする? この後 』


「 え? どうするって、暗くなってきたしそろそろ帰る? 」


『 うーん、私ね、明日お休みなんだけど 』


「 え、は… そ、それって 」


『 私はまだ帰りたくないんだけどな
ね、トド松。 』


「 〜〜〜っ!
ほんっとに、ズッルイよねぇ!! 」



やっぱ僕の彼女はあざとい



そして、誰よりも可愛い

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