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その名は信頼 ページ8

18時
最近日も短く、夕方でもこの時間になれば結構暗い
今日はずっとここにいる
グルッペンの様子も気になるけど、まぁ頑張ってくれてるでしょ

そう考えながらペンを動かしてると部屋のドアが開いた

『…どうせなら明日の朝まで寝てなさいよ』

tn「そういうわけにはいかへんやろ」

トントンは今朝よりはスッキリした顔で真っ先に机に来た
積み重なる書類を確認し出す

tn「嘘やろ、9割終わっとるやん」

『やっとくって言ったじゃない。信じてないの?』

tn「…全く、頭が上がらんなぁ」

ため息をついてそういうトントンを見てにやりと笑う
トントンはかなり有能だから、そう言ってもらえると素直に嬉しい
口には出さないけど

tn「で、グルさんの方は?」

『あたしは今日ずっとここにいたわ』

tn「え、あの人放置!?」

『そうよ』

急に焦り出すトントンと冷静に書類を進めるあたし
そのペンを持つ手を止められた

tn「もうええから、戻ってやって」

『まだ終わってないんだけど』

tn「Aは総統秘書やろ」

真面目な顔でそう言うトントン
総統秘書である前に幹部であり、家族なの
そう思ったけど、トントンがあまりにも強く言うものだからあたしが折れた

『もう、わかったわよ…でもそんなに気になるなら自分で行きなさいよ』

tn「俺よりAの方があの人も喜ぶ」

「それに…」とトントンは続けた

tn「あの人を…グルさんを1番任せられるのはAやから」

1番…ね
トントンとあたしは結構似てる
だからこそ言えるのかもしれない
あたしは椅子から立った

『じゃ、おつかれ』

tn「待って」

ドアノブに手をかけたところでトントンが声をかけてきた

『何よ』

トントンはあたしの近くまで来て、頬を親指で撫でる
トントンがスキンシップとってくるなんて珍しい

tn「ありがとうな。今度なんかお礼させてや」

『結構よ。お礼する時間があるならしっかり休んでしっかり仕事することね』

tn「…ぐうの音も出ぇへんわ」

困ったように眉を下げて笑うトントンを見て、部屋を出た

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作者名:雪白ましろ | 作成日時:2024年3月4日 20時

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