チビデカちゃんのDOUTEI喪失日記

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しかも、それで喘ぐ……のか……。



「あ、ああ〜ん……」



映画の中の松坂なにがしのように、盛大に声を出す。


男も喘ぐんだろ？
でも、俺の声……なんか違くね？


不意に、頭の中の松坂の声と自分の声が重なる。
美しく女顔負けに喘ぐ男。


声とは、性感を刺激する。
低く甘く女を酔わせられるようにならなければ。
俺は、何もかも完璧でなければ気がすまない。
色っぽく、格好よく喘ぐにはどうすれば。


そうか!!!


俺はそこにあった携帯の録音機能のスイッチを入れた。
ピッと電子音がして、マイクのマークが起動する。


自分の声を後で聞いてみればいいんじゃね？


「あぁ〜ん……っ、……」


後は思う様に喘ぐ。
広いベッドの上で、片手を固定して、片手には携帯を握り締めて、腰はマシンガンの動きだ。
ギシギシと鳴るベッド。
繰り返していくうちに、本気で気持ちよくなってきた。




キタキタキタっ！

気持ちいい──────っ！




「ああっ、あっ、くるっ、！」


我慢することなく声を出して、しかも自分で焦らしたからか、気持ちよさが倍増する気がした。


自分で自分を焦らすテクを使えるなんて、俺は自分で自分が末恐ろしいぜ。


そうして近付くフィニッシュ。




どぴゅっ──




「ああっ!!!」




あまりの気持ちよさに、俺は高級寝具のことなどすっかり頭から抜け落ちていた。






「あ……。」






選びに選び抜いた肌触り抜群の高級シーツの上に出来た生温かい白い水溜まり……。




どわーっ!!!


ヤバいヤバいヤバい、染みになるーっ!!!




俺は焦ってシーツを寝具から剥ぎ取り、それを抱えてベッドを降りようとした。

頭脳明晰で冷静沈着な俺は、すっかり失念していた。



俺のオレを弄っていた俺は、トランクスを膝下まで下げていたことに。





「うわっ！」


───ベチャッ




ベッドから降りた俺の足にトランクスが絡まってバランスを崩した。
手にシーツを抱えたままだった俺は、手をつくことも出来ずに顔から転げ落ちた……が。



瞬間。



顔面に感じた……ぬるりとした感触。



…………。


………………。


……………………。



ぎゃ────────っ!!!



顔に！
顔に！
俺の分身がっ！




俺は、光の早さでシーツごとバスルームに飛び込み、顔と高級シーツを全裸で念入りに洗った。

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