チビデカちゃんのDOUTEI喪失日記

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「では、どういう場合に年齢確認をしているんだ」

「はぁ、明らかに若いとか、そういう時です」




何と言う事だ……この係員の目視情報のみで判断しているというわけか？高校生くらいになれば、友達と一緒に映画を観に行くことくらいあるだろう。


これでは、年若い少年少女まで、観ようと思えば観られるじゃないか！


そもそもＲ指定というのは、性表現や暴力表現などに触れることによって、未成年者に生じる発育上の影響を回避するための規制だ。


１５歳、１８歳といった年頃は、性的なものや暴力的なものへの憧れがある一方で、そのような映像を観ることによって、自分にどのような影響が生じるかを判断する能力は極めて不十分であるといわざるを得ない。


実際に年齢確認をどこまでやるかは、各映画館の自主的な判断に委ねられている現状……。


つまりＲ指定は法律による禁止規定はなく、映画倫理機構による所謂、自主規制であり、違反して入場鑑賞した者に対して罰則を科してはいないということなのか？



緩すぎるだろ！



昨今、大和撫子や日本男児などという言葉はめっきり聞かなくなってしまった。


ノーヘル乗車をする若者も多く、まだ学生でありながらも、意図せず妊娠することも珍しくない。『婚前交渉します』という宣言をせずども、コンビニエンスストアでヘルメット、いや、コン ドームを買える時代だ。


見た目が若い人がいるように、若くても老けて見える人もいる。だからこそ、全員に対して公的な身分証明書の提示を義務付ける必要があると俺は考える。


そしてそれだけではなく、映画館の係員やバイト一人一人が『Ｒ指定』という規制の意味をきちんと伝え、断固とした態度でその意味を明確に説明してやることが大切ではないのか。


憤りを隠すことができない！



「あのなぁっ！」








眼力鋭く、説教をしようとしたその時だ。





「あのぉ〜まだですかぁ？」




突然声が聞こえ、後ろを振り向けばかなりの列ができていた。しかも女性ばかりだ。

こっ、これは！……背中を嫌な汗が伝い、脇汗が半端ない。


「ここ、チケット買うところなんですけどぉ？行列、できてますよ」


あからさまに迷惑そうな顔をして俺の事を睨んでいるその女性。しまった！つい熱くなり、係員に説教をしそうだった……。





「……失礼した」





俺は素早く料金を払うと、チケットを握りしめ、逃げるようにその場を後にした。









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