チビデカちゃんのDOUTEI喪失日記

Diary 3 ページ7

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帰宅後、俺は脇汗が酷かったシャツを脱ぎ、とりあえずシャワーを浴びた。



外では三つ揃えの高級スーツに身を包んではいるが、自宅ではトランクスのパンイチ派だ。やはり家では解放されたい。

早速ベッドに腰かけ、先ほどコンビニで購入したヘルメット、いや、コン ドームの箱を手に取ってみる。


むむむ……


さっきはテンパりまくっていたからよく確認もせずに購入してしまったが、箱に安全のマークがついているかをすかさず確認する。

もちろん指差し確認も怠らない。よしっ！オッケー。




こういう物はやはり、信頼と安全の日本製に限る。しっかりと箱に印刷されているＪＩＳ(日本工業規格)のマークは、国家が定める厳格な規格だ。

ＪＩＳは製品のカテゴリごとに規格が定められている。コン ドームのカテゴリはおそらく「医療安全用具」だと推測するが、これを通過した製品は、高い品質で製造されていることの証だ。

うすピタ、お疲れ。店頭に並ぶまでに、とても厳しい規格をパスしてきたんだな……。



「おまえを無駄にしないから安心しろ……」



優しい言葉をかけ、ブツに敬礼して労をねぎらった後、俺は箱をまじまじと見つめた。







「一段しぼり、フィット加工？」


箱にはそう書いてあった。


一段しぼりとは何だ！？俺が知っているのは”○△ビールの一番搾り”だ。あれは本当に旨いな。

まあ、そんなことはどうでもいいが……。
一段しぼりというからには、二段、三段などもあるのだろうか？未知との遭遇に、頭の中は？マークだらけである。


コンビニエンスストアには種類がなく、これしか置いてなかった為、これが売れ筋のスタンダートなタイプと理解するも、何も考えずに購入した手前、本当にこれで良かったのか心配になってきた。

フン、まあいい……案ずるより産むが易しと昔から言うからな。早速装着してみるか……

自分に言い聞かせ、使用感を検証するために装着してみることにする。


未知なる避妊具を始めて手にし、高揚している俺。くそっ、手が震える。


こういう時こそ冷静にならなければならない……


俺は、お守りのように胸から下げている鍵を握りしめた。
大きく深呼吸をして精神統一をしよう。


パンイチで首から鍵をぶら下げている姿がいささか滑稽ではあるが、致し方ない。

大切な俺の童貞卒業への鍵だからな。これを握りしめていると、不思議と気持が落ち着いてくるんだよ。









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