域を超える ページ19
「ただし、今夜何時になってもお前はちゃんと連絡着つくようにしとけよ、松潤は説教部屋だぁ！！」
ビシッ！ と音がしそうな程指差して、バラエティのフリみたいにわざとおどけた調子で締めくくった櫻井に、松本はぽかんとした後苦笑した。
「‥‥解った」
「よし、じゃあ行こうか雅紀くん」
「えっ、あ、うん」
相葉の視線がAに向くが、挨拶をする気力もわかない。もう何の言葉も出てこない。そんな彼女に櫻井が声をかける。
「小宮山さんも、また今度ね〜」
「っ、はい」
調子は軽いが有無を言わせない口調に頷くしかない。
そうして足早に二人が去った後、静まり返った廊下に立ち尽くして、二人は次の言葉を探している。
口火を切ったのは松本だった。
「‥‥ごめん、いくら何でも俺が悪かった。‥あー、その、もしなんか言われたとしても、俺がちゃんと説明するからAさんは気にしないで」
「‥気にしないって言うのは無理だし、何か言われるとしたら私もちゃんと話を聞くよ」
それが大っぴらに抱き合ってしまった責任だと思う。Aは静かに続けた。
「でも、今松本に言いたいのは一つだよ」
「‥なに」
何を言われるのだろうかと身構える松本に内心で苦笑する。先ほどまであんなに押せ押せ男の面が前面に出ていたのに、今はなぜそんなに小さい子供のようになのか。
そのギャップがまたファンにはたまらない魅力なのだろうし、Aにも魅力的に見えた。
「あのね、私の話を聞く前に決めつけないで。私の感情を勝手に解釈しないで。私は、‥‥」
言って、それからどうするのだろう。
自分も寂しかったと、会いたかったと。
言ってしまえばそれはもう、なんだか友達の域を超えている気がして怖くなる。
恋愛感情は無い、それは今も変わらないAの感情だ。
だけど、今までの人生で築いてきたどんな友情とも形も色も違う松本との関係に、明確な言葉を重ねていいのか解らなくて――
「Aさん」
毛羽立ったAの内面を撫でるような、優しい声。
松本の男らしい節ばった、それなのにやけにきれいな指が、そっとAの指先に触れる。
「っ」
「教えて、Aさんの気持ち。俺は、知りたい」
――言っては、いけない。
終わるならそれでいいと思っていたほんの数十分前の自分が声を上げる。ダメだよって。
それなのに目の前で、松本が縋るような瞳で待っている。
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お塩(プロフ) - plut49plutさん» 『なんか、違うんだよな…』と私の中で疑問が生じてしまい完全に止まっています。修正して完成させたい気持ちはあるのですが、いつになるかと問われると正直わかりません。が実情です。続きを気にしてくださってありがとうございます！ (2023年2月10日 8時) (
レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
お塩(プロフ) - こんにちは、お塩です。こめんとありがとうございます！お返事遅くなってすみません。このお話、実は８割方出来上がっているんです…ただ、ハマりたてで彼らのキャラクターや性格をあまり知らないまま書いていたので、今になって（続く） (2023年2月10日 8時) (レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
plut49plut(プロフ) - はじめまして。こちら「どうしてこうなった！」の更新予定はありますでしょうか。 (2023年2月4日 13時) (レス) id: 8fab10a4af (このIDを非表示/違反報告)
お塩(プロフ) - shiさん» shiさんコメントありがとうございます！お塩です。名字呼び捨てのヒロインって中々いないよなと思いつつ体育会系と言うか高校生みたいなノリもいいよなと思って始めてみました(笑)Ｓさんもまだまだ色々ありますので、是非楽しんで頂けたら嬉しいです！ (2021年10月11日 11時) (レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - 初めまして。主人公の松本呼びやSさんの行動が読んでいてワクワクしました！！次回の更新楽しみにしています！ (2021年10月10日 10時) (レス) @page23 id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お塩
| 作成日時：2021年10月6日 1時
