拒否権のないお誘い ページ31
「うるせぇな、ほんと何しに来たんだよニノ、翔さんも」
「だってニノがさぁ！ 絶対面白いからって！ そしたらほんとに面白いし！」
「ちょっとちょっと翔ちゃんやめてよ俺が後でＪにどやされるでしょ」
「ほんとしょーもないね二人とも」
何だろうこのやりとり。ファンなら悶死もしくは憤死するんだろうか。
文句を言いつつもどことなくまんざらでもない様子の松本は、Aが見たことのない顔をしている。
なるほど、メンバーと一緒に居るとこんな顔をするのか。そんな感想を抱きつつもう一口エールを口に入れる。スッとする香りに幾分が落ち着きを取り戻す。
気つけ薬がアルコールな分ダメな気もするが。
(確実に私一人場違いなんだけど‥‥ほんと、どうしてこうなった)
顔面を両手で覆ってしまいたい。
そんな気持ちを押し殺して、Aは事の発端である数日前に想いを馳せた。
松本潤襲来事件とAが勝手に名付けた初めてのお宅訪問から２週間後。
ピコン、と久しぶりの通知。
結局あの後、先日の話に関してまともにやり取りすることも無く、いつもこうだなぁと呆れながらもそれでよしとして流してしまうAもAだ。
ＧＷを挟んで、イベントで気がふれたように諭吉を開放して、アフターで同士たちと楽しく飲み食いして、移動先のカラオケの個室ではみんな歌そっちのけで読書会を開き、翌日はスカイプで楽しかった思い出を語り合う。
三十歳を過ぎてもこんなに趣味が充実していたらそりゃアイドルに転ぶことはないよなぁ、なんて。
気が付いたら松本とあんなやりとりがあったことすら忘却の彼方に行きかけた頃。
Jun.M明後日暇?
A四字熟語かなにか?
Jun.Mなんでだよ。あさってヒマ? 暇? ひま? 夜ご飯行かない?
突然の外食のお誘いにAは一瞬その指を止めた。
「‥‥‥」
明後日。カレンダーを見ると週の後半木曜日。
特に予定は無いけれど、どうしようかなぁと思う。
この間の出来事が宙ぶらりんのままの気がして、ほんの少し気が進まない。
(そもそも花見したいってなんだったのか今も解んないままだし)
Jun.Mもしかして用事ある? それならほかの日で良いよ
どうやらどこかの曜日で一緒に夕食に行くこと自体は決定のようで、拒否権がなさそうである。
どうしようかと思うけど→←相変わらず非日常 (10/4)UP
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お塩(プロフ) - ゆぃさん» ゆぃさん、一気読み疲れないですか？今後どんどん長くなる上に、どんどん何なのこの人たちってなるので(笑)ありがとうございますー！ (2021年10月3日 19時) (
レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆぃ(プロフ) - 小出しもいいけど、一気に読めると尚嬉しいから 一気に出しても大丈夫ですよ~♪ (2021年10月3日 13時) (レス) @page29 id: 7a81be16ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お塩
| 作成日時：2021年9月29日 1時
