わりと気軽に ページ13
それは四月の最終週の月曜のこと。
ぴこん、と届いた内容にAは目を丸くした。
少ししつこかった菜種梅雨が終わり、季節は春から初夏に大きく舵をきった今日この頃。
数日に一度の頻度でSMS機能を使いぽつぽつと連絡を取り合う二人は、実はあのカフェの後から直接会うことはなかった。
松本が忙しいと言うこともあったが、年度末と年度初めをAも忙しく過ごしていたからだ。
ようやくちょっと暇になってきたなぁと、昨日は久しぶりに松本と電話をした。
その電話も実はまだ二度目で。
それでもなぜか二人して、久しぶりゆえに距離が開くどころか十数年来の友人みたいな気楽さで、あーだこーだと取り留めない話や近況を交わした。
終わりどころが解らなくなるかと思いきや、お互いにそろそろかなと思うとすっぱりと終わる。そんな通話を終えた、翌日。
出先のカフェで遅めの昼食を取っていたAは、この後の予定を確認していた。
現在、旅行雑誌の編集に携わっている彼女は、頻繁に外部に出向いて取材を繰り返している。今は月に一度発行される若い女性をターゲットにした旅行誌に見開きのコラムも任されていて、それに関する取材の一つを終えたところだった。
そこに飛び込んできた松本からの一言。
Jun.M花見に行きたかったんだけど
「なにこれ」
意味は解るけど、意味が解らない。そんな気分で首を捻りつつ、Aは返事を送る。
Aどうしたの突然
Jun.M桜散っちゃったじゃん、どういうこと
A春も終わりだからそりゃ‥‥どうしたの松本、ついに頭が‥!?
Jun.Mおい。おい、ちょっと待て
気が付いたら呼び捨てになっていた、というわけでは無く。
ただなんとなくだらだらと続けるやり取りの中で、Aの松本に対する以前よりもさらに気安いツッコミが増えただけであった。
Aお花見行きたかったの?
Jun.MAさんだけビール飲んでズルい
Aえぇ? お花見行かなかったの?
Jun.M行ったけど! ビールも飲んだけど!
Aじゃあ良いじゃん。楽しかった?
Jun.M良くない。俺は夜桜見たかったし! 通りすがりで見たけど違うんだよ
Aまぁまぁ。お花見嵐の皆さんと?
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お塩(プロフ) - ゆぃさん» ゆぃさん、一気読み疲れないですか？今後どんどん長くなる上に、どんどん何なのこの人たちってなるので(笑)ありがとうございますー！ (2021年10月3日 19時) (
レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆぃ(プロフ) - 小出しもいいけど、一気に読めると尚嬉しいから 一気に出しても大丈夫ですよ~♪ (2021年10月3日 13時) (レス) @page29 id: 7a81be16ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お塩
| 作成日時：2021年9月29日 1時
