＊ ページ31
『なぁもう家なんだよな？』
「うん、そうだよ」
『じゃあ、』
――「開けて」
声が重なった。
「っ、潤！？」
驚いてすぐさまAは玄関を開ける。躊躇もしなかった。
扉の向こうに悪戯が成功したことを喜ぶ潤の笑顔。通話を切って、部屋に入り込んだ彼にすぐさま抱き寄せられて何も考えられなくなる。
温もりに酔いしれて、Aも潤の大きな背中に腕を回した。ぎゅうっと隙間なく抱き合って暫くそのままお互いを堪能する。
「潤っ‥」
「全然会えねぇんだもん、俺が来るしかねぇじゃん‥」
切なげに吐き出された言葉に胸がきゅうっとなる。
好きだと思う。
やっぱり好きで、どうしようもなく好きで、今すぐ触れたくなる。
Aの両手は潤の髪を乱したし、潤の両手はAの頬を包んだ。
鼻先をこすり合わせるようにしてから触れた唇は気持ち良くて、すぐに深くなる。玄関でうっとりと抱き合って唇を重ねて、しばらくぶりのお互いを確かめ合う。
「はっ‥んん‥‥」
「A‥っ、やべぇ、止まんなくなる」
「‥‥止めないで」
「え」
「止めないで、潤‥‥」
ぎゅっとしがみつくように抱き着く。
そんな自分をズルいと解っていながら、タイムリミットがあるのにこの手を離したくないだなんて。
息を呑んだあと、潤の悩まし気な吐息が耳を掠めた。
それだけでAの体の深いところががぎゅっと熱くなる。
「A‥‥好きだよ」
「っ、私も、潤が好き、大好き――」
もう一度深くキスをして、久しぶりの恋人の味と匂いとぬくもりに夢中になった。
「してないんだ？」
「――え？」
甘い時間が終わって、腕枕をされたままぼんやりと夢うつつを漂うAの左手を取った潤がそこにキスをした。
「指輪」
「あ。仕事中はどっちにしろ付けられないから外してあるの。ごめん、他意はないよ」
「‥そっか」
安心したような口元に笑みが浮かぶ。
見慣れたほくろが唇と一緒に動いて、なんだか可愛いななんて思いながらAは自分の胸の中の感情を持て余していた。。
抱き合って心も身体も満たされたはずなのに、暗澹たる思いがすぐに去来して言葉に詰まる。
Aの髪を指先で撫でて弄ぶ潤の視線を感じるのに、そちらを向くことが出来ない。
「A、どうした？」
「どう、って」
「なんかここ最近さ、ずっと考え込んでるだろ」
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お塩(プロフ) - ゆぃさん» ありがとうございます！って、ゆぃさんまで何を仰る！(笑)私ニューヨーク行ったことないので‥‥(笑)でもタイムズ・スクエア前に立たせるだけで絵になる潤くんですよね、それを見たいです(笑) (2021年9月28日 11時) (
レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆぃ(プロフ) - 完結お疲れ様でした~ NY編…いいです~♪ (2021年9月27日 13時) (レス) id: 7a81be16ec (このIDを非表示/違反報告)
お塩(プロフ) - さちこさん» さちこさんコメントありがとうございます！ほんっと格好いいですよね見事に落ちました(笑)全曲は流石に書けませんでした、そこまでネタが思いつかなくて‥。えっ、NY番外編っ！？えっそんなそんな(笑)でも少し妄想しちゃいました、タイムズスクエアの二人ですね成程！ (2021年9月25日 21時) (レス) id: bdf4956e41 (このIDを非表示/違反報告)
さちこ(プロフ) - お塩さん、完結おめでとうございます！こちらのお話も大好きです♪untitled、ほんとカッコいいですよねぇ…全曲のお話書かれるのかと勝手に思ってたので、完結って見て「えぇ( ﾟДﾟ)」ってなっちゃいました(笑) NY番外編、気が向いたらお願いします(笑) (2021年9月25日 8時) (レス) id: 037683b6b9 (このIDを非表示/違反報告)
お塩(プロフ) - ゆぃさん» ゆぃさん返事遅くなってすみません！！ 同僚はものの見事に当てウマですほんとすみませんって気分になりつつ、あれはもう潤くんのイケイケ具合を楽しんで頂ければオッケーです！！ ね、どう思ったんでしょうかね‥(笑) (2021年8月28日 2時) (レス) id: bdf4956e41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お塩
| 作成日時：2021年8月11日 4時
