奇想天外摩訶不思議 ページ27
これからどんな日々が待ってるかなんて、Aは知らない。予想もつかない。
それはきっと、松本も同じこと。
けれど多分、それでもきっと、大丈夫な気がしている。
目の前で少年みたいに笑う美形が、なぜだか安心する、信用できる相手だと思えたから。
そのままロケに向かうと言う松本と別れて、ようやく一人になって、やっぱり夢だったのかなと半信半疑の気持ちでAは自分の頬を抓る。
しっかり痛みがあってどうしたって覆らない現実に今更ながらじわじわと頭を抱えたくなる。
「いや、オカシイってなんなのこれ」
独り言も強めになる。
春先の日差しがぽかぽかとAに降り注ぐ。
平日の穏やかな時間が過ぎていく。
「やっぱりドッキリなのかな。知らないうちに様子見られてるとか」
流石に一般人相手にそんな残酷なことしないだろうと思うが、ちょっとだけ不安を覚える昼下がり。
晴れ渡った空に、僅かに暖かい初春の風。
春一番はとっくに吹き過ぎた今になって、心の中に確かな嵐が生まれている。
「まぁうん、考えてもしょうがない‥‥散歩して帰ろう」
知らない街を歩いて、今日の出来事を整理して、そうして。
そうして――また松本潤に会えるかもしれない予感に芽生える何とも言えない喜びを噛みしめようとAは大きく深呼吸をした。
やっぱりこの世は奇想天外摩訶不思議なんだなと、運命のいたずらみたいなものを感じながら。
「えっ、わぁこれ‥」
すごい、やられた‥と呟く。
ストールが入っていた袋の中。
下に隠されていた小さな箱の中には、これからの季節にピッタリな大判のハンカチ。これはあれだ、スカーフになるやつだ。
こんなもの潜ませていたなんて微塵も感じさせなかったスマートさに恐れおののく。
そしてもう一つ。
『本物だから掛けてきて
080−××××―〇●〇● 松本潤』
なんて書かれた、一枚のメモ。
「わぁぁぁぁぁ！？」
やっぱり早まったのかもしれない！
っていうか、これ会えなかった時の保険か！ とメモを見つめてAは呆然とする。
連絡先が無くてもまぁ困らないかなって本気で思っていたのに。
本当に信じられない手練手管百戦錬磨マジスーパージャニーズ‥‥強い‥‥と、Aは物理的に頭を抱えてソファにうずくまるのだった。
二人の出会いが、ここから先の二人の運命を大きく動かすことを誰も知らない。
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お塩(プロフ) - ひーちゃんさん» ひーちゃんさん、コメントありがとうございます！えっ、ヒーちゃんさんも夢落ち潤担さんですか！？そんな偶然があるとは驚き過ぎて笑ってます。続きは実はできてるので、修正しつつそのうちページ作りますね！ゆっくりお待ちください！ (2021年9月22日 15時) (
レス) id: bdf4956e41 (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃん(プロフ) - お塩さま、作品を楽しく拝見させて頂いております。夢堕ち潤担！私もです( ・∀・)ﾉ﹛ﾊｰｲ!何だか嬉しく思いました。続きも心待にしております。 (2021年9月22日 2時) (レス) @page28 id: af081d03e4 (このIDを非表示/違反報告)
お塩(プロフ) - ゆぃさんありがとうございますっ！私の中ではむしろ一番古い話なので不思議な気分です(笑)創作意欲ばっかり溢れて実際は空回りですよ‥‥ふへへ。いつもゆぃさんに励まされてます！ほんとにありがとうございますー！！ (2021年9月1日 12時) (レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆぃ(プロフ) - - ここにきてまさかの新作とは！驚きです！！お塩さんの書きたい意欲が凄い♪無理しないでくださいね~ (2021年8月30日 14時) (レス) id: 7a81be16ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お塩
| 作成日時：2021年8月7日 1時
