フツウ最上級 ページ22
「大丈夫、マネージャーにも言ってあるし、案外バレねぇもんだから。それより次降りるよ」
気がつけば松本が使っていた敬語はどこかへ消え去っていた。
いつの間にと思う。距離の詰め方がやっぱり手練れだなぁなんて。
(この人もきっと色んな意味で百戦錬磨なんだよねぇ)
顔が良いし、雰囲気もオーラも今まで見たことがないほど洗練されているからときめいてしまう。
けれど、どうにもこうにもこういった雲上の存在に恋愛感情を抱くことなんて無かったから、やけに距離が近いのは松本の雰囲気が弟っぽいからだと彼女は一人納得した。
「電車久々に乗った」
「え、そうなんですか。ああでもほとんどは送迎車ってやつですか？」
「そう。だからほんとバレないもんなんだよ、いるとは思ってないもん。それにさ、おねーさんフツウだし」
フツウだし。
それ一体どういう意味だコラァと思う。そりゃ芸能人と比べられたらフツウ最上級ですけど！？
彼女の雰囲気が固まったことに気がついたのか、松本は違う違うと慌てた。
「違うって。ほら、芸能人同士だとどっちも帽子にサングラスにマスクにってなるから、逆に浮いてるっていうか」
「‥‥ふぅん」
「その中でおねーさんが普通に顔出してれば、一般人と芸能人がって誰も思わないもんなんだよ」
「‥‥そうですか」
その通りかも知れないがなにか面白くない。電車に乗っている間ずっとバレたらという緊張で気を張っていたのに。
「怒んないでよ、せっかくおねーさん可愛いのに」
なのに、そんな風に。彼女の心配など本気で無用だと言うかのようにからかわれたら。
「っ！ あの、言いたかったんですけど、からかわないでください！ ‥私は松本さんより年上ですけどっ」
「え」
恥ずかしいやら悔しいやら。どうしてこんな気持ちにならなきゃいけないのか。まるで定期的に上映される様々な恋愛映画みたいで調子が狂う。
けれど、松本の素っ頓狂な返事に、お互い止まってしまう。
「おねーさん、年上」
「はい、だって松本さん29とかでしょ？」
「え、おねーさんの聞いていいの」
「２個上です」
「えっ！？ マジ？ タメか下かと思ってたわ」
「まぁ似たようなもんですけど‥」
よく考えたら別に年下扱いされようが何だろうかどうでもいい気がしてきた。
そうしたら途端に彼女の気持ちがスンッとおさまってしまう。
同時に、子供っぽいことを言ったなと後悔が浮かぶ。
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お塩(プロフ) - ひーちゃんさん» ひーちゃんさん、コメントありがとうございます！えっ、ヒーちゃんさんも夢落ち潤担さんですか！？そんな偶然があるとは驚き過ぎて笑ってます。続きは実はできてるので、修正しつつそのうちページ作りますね！ゆっくりお待ちください！ (2021年9月22日 15時) (
レス) id: bdf4956e41 (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃん(プロフ) - お塩さま、作品を楽しく拝見させて頂いております。夢堕ち潤担！私もです( ・∀・)ﾉ﹛ﾊｰｲ!何だか嬉しく思いました。続きも心待にしております。 (2021年9月22日 2時) (レス) @page28 id: af081d03e4 (このIDを非表示/違反報告)
お塩(プロフ) - ゆぃさんありがとうございますっ！私の中ではむしろ一番古い話なので不思議な気分です(笑)創作意欲ばっかり溢れて実際は空回りですよ‥‥ふへへ。いつもゆぃさんに励まされてます！ほんとにありがとうございますー！！ (2021年9月1日 12時) (レス) id: c86e5730cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆぃ(プロフ) - - ここにきてまさかの新作とは！驚きです！！お塩さんの書きたい意欲が凄い♪無理しないでくださいね~ (2021年8月30日 14時) (レス) id: 7a81be16ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お塩
| 作成日時：2021年8月7日 1時
