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二宮さんの彼氏なの？
マジ凄いイケメン！
えっ皆高校生？
っていうか、全員格好良いね！！
えー、ちょっと遊ぼうよ！
そんな女子大生のノリに、ひと夏の愉しみだー！って大はしゃぎの雅紀たちを置いて、俺は走り出してた。
――西本さんが「Aちゃんすっごく落ち込んでたよ、潤くんの誕生日なのにって」っておっとりした様子で笑ってた。
「会いに行ってあげてよ、っていうか、もう連れて帰っちゃって良いよ」
「え、どういう意味っすか」
「私もさっき知ったし、Aちゃんはまだ知らないと思うけど、今日だけで史跡巡り終わってるんだって！ 腹立つよね！」
本気で怒っている様子じゃないけど、西本さんは頬を膨らました。――
「‥‥っ、電話でねぇ、くそっ！」
西本さん曰く、元々確かに史跡巡りは秋だったらしい。
だけど、メンバー内にカップルが成立しそうで、どうせだったら夏の思い出もかねてっていう理由で、一部が暴走したらしい。
教授の許可を貰って、一日だけで決まった史跡や名勝を全部回って、明日はこっちの祭りと夜はBBQやって夜中に帰る計画を立てた、と。
「っだよ、それ！！」
――西本さんが声を潜めた。
「一人、Aちゃんのこと狙ってる奴がいるんだよね、早く見つけてあげて！」――
クソほどムカつく。
騙し打ちみたいに連れてきて、しかもA狙いの男がいるとか、無理！ ゼッテー無理！！
教えてもらった旅館に足を向けて、受付で聞いてみるかと思ってふと視線を巡らすと。
数百メートル向こうに見えた、あの姿。
間違いなくAで。
もう一人、しらねー男がAの腕を掴んでんのが見えて、もう駆け出していた。
「A！！！！」
弾かれたように振り向いたその顔は、毎日だって会いたくて、大好きでしょうがない、可愛い恋人の顔だった。
教授に電話をかけて、少し話をして、その内容に考え込む。
というか、もう私帰って良いんじゃないの？
『今日中に全部回ってしっかり見聞きしてきたなら構わないから、明日はゆっくり遊んでおいで』
って、どういうこと。
明日もいくつか行くって聞いてたのに、話が違う。
確認しようって顔を上げて振り返ったら、すぐ真後ろに岡本君が立っていて息を呑むほど驚いた。
「っ！！ ‥びっくりしたぁ、声かけてよ！」
「いやなんか深刻そうだったから？」
「そうでもないけど」
「年下彼氏くん？」
「その言い方やめて。‥‥教授に」
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作者名：お塩
| 作成日時：2021年8月7日 0時
