四面楚歌【文スト短編集】

ドストさんが嫉妬するだけ。 ページ1

フェージャに呼ばれて部屋に行ったら、なんか床ドンされました。険悪な、所謂ヤバそうな雰囲気が漂っています。
「僕が怒ってるの、分かりますか？」
顔が近い。たぶん今の私の顔は赤いんだと思う。…それより、考えなければ。しかし、いくら考えても怒らせるような事は思いつかない。寧ろ考えれば考える程、迷宮の中から出られなくなっていった。
『分かんない…何で怒ってるの』
すると、フェージャは深い深い溜め息をついて、
「ゴーゴリとの距離が近すぎやしませんか…。僕より近く見えます」
『え？そう、かな？』
思いもしなかった答えに、少し焦ってしまった。仕事の事で怒っているのかと思っていた。
「ええ。そうです。…ゴーゴリにだけ甘えてばっかりですよね。昨日の事を思い出しなさい」
昨日…。昨日は確か、2日徹夜してやっと仕事終わって、ついゴーゴリの膝の上で寝てしまった気がする。その事か…。
『でもあれは、眠いっていうのが勝ってしまってたから、別に自分から行ったって訳じゃ、なくて…』
「…僕が仕事している時、貴女ずっとゴーゴリと遊んでますよね。」
『…だって、……構ってくれないから』
パソコンに熱中しているのを見ると、さすがに話しかけよう、という気には到底なれない。
「………そう、ですか」
『っていうかそれ、嫉t』
嫉妬だよね、と云うのを遮られる。
「違います。心配してるんですよ、貴女が取られないか。」
『だから嫉』
「違うって云ってますよね？僕の気持ちはそんな漢字二文字の言葉なんかで表せませんから。」
『文字数？』
「…そういったありふれた言葉で終わらせてほしくないんです」
『私、フェージャの事ゴーゴリよりも……好きだからっ』
「……そうですか。ありがとうございます」
ちょっとその場が和やかになったような気がした。


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文才とは一体。

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