幽霊になった件について【stpr】

赤星記念 家出ぱーと2 ページ17

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ｶﾗﾝ

ｷｰｯ



真夜中の公園で1人寂しくブランコを漕ぐ。
…やっと涙がとまってくれた。

被害者ヅラなんてすんなよな、私。


『ふふっ』

なんだか面白くなっちゃって思わず口から笑みがこぼれる。

『…あれ、』
ぼろぼろと涙が溢れ出てきた。
ああ、もう。何回目だよ。

どんだけ涙貯蔵してんだ。



______一体どれだけこの公園にいるんだろう。
絶えずブランコを漕ぐ私の脳内で声が反響する。


1時間？
10分？
もしかしたらまだ10秒かも。

とうとう時間もわかんなくなったか。老いたな私も。



もう帰れないのかな、

もう、かえれない？やだな、まだわらってたい

幼子のような声が頭の中で響く。
ああ、もう。やめてよ。

自分自身がどこかに飛んでいきそうで深呼吸を繰り返す。


…だめだ。欲張りはやめようか。
いつの間にか我儘になってるよ私。

一週間以上も推しと共存できたんだ。ほんと奇跡みたい。


幸せだったなあ


この一言に尽きる時間だった。


こんなことでお別れなんて少し…いや、だいぶ寂しいけど
こんなに早くぶつかり合うなら、きっともっと後にもあるはず。


合わなかったんだよ。

だからしょうがない。


…いっそのこと誰の目にも当たらないところへ逃げてしまおうか。
何より私がさとみくんの邪魔をしたくないから。

善は急げってね

くぅーっと背伸びをして、
色んな思い出を思い出して、

満天の星空を眺めて呟く。

『ばいばい、』
「だれと」
『ﾋｯ』


頭が真っ白になる。

今1番聞きたくなくて、
今1番聞きたかった声。


鼻がつんと痛い
視界がぼやける

「…、ごめん。」
恐る恐る振り返ると、息を切らしたさとみくんがいた。

『…走って、来たんですか』
私がかすれて声が上手に出ない中、さとみくんは笑って
「うん、」
とだけ呟いた。

もうそれだけで帰りたくなってしまう私は多分甘い。
とうとう目に張っていた膜が溢れ出した。

さとみくんが無言で上着をかぶせてくれるから余計に。

「帰ろう。俺今から寝るわ。…ありがと」
私の手を握って歩き出すさとみくん。

『罪な男ですね』
「うるせぇよwwww」


(…私、もう無理強いはしないって誓います。)
(んー、)
(代わりに寝たくなる環境作りに全戦力をつぎ込みます。)
(ん？？)
(明日から覚悟しといてくださいね)
(え？？？)

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リクエストありがとうございました！
なんか長くなってました。草。

少しだけ皆様のリクエストを頂きたいと思います、
よろしくお願いします

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