10話 ページ10
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「…、は??」
冷や汗が頬を伝う。
幽霊が
目の前で
崩れていった。
声が出ないほど一瞬の隙に。
手足の指から砂のようにさらさらと体が崩れていった。
「…幽霊?」
呼びかけても返事がない。気配すら感じられない。
まるでそこには元から誰もいなかったように。
おかしいだろ。そんなの。
さっきまでそこにいたのに。
俺たちを驚かす登場までしてくれたのに。
心底楽しそうに笑っていたのに。
________俺のそばにいてくれていたのに。
体はずっと重いままで、現実を突きつけられている気分だった。
たった1週間。
されど1週間。
その1週間の間に俺がどれだけの癒しと活力を貰ったか。
寝落ちした俺を寝室まで運んでくれたことも
風邪をひかないように毛布をかけてくれたことも
ごみの片付けや部屋の掃除、放送中にひなたちと遊んでくれたことも
なにより頭を撫でてくれたことも
俺はすっげぇ嬉しかったのに。
正直最初は怖かった。なんで俺幽霊に頭撫でられてんの??って謎だったもん。
でもその反面嬉しい気持ちもあって。
頭撫でられるのなんて何年ぶりだよ。撫でられる度に変に嬉しくなった。
ふと周りを見たらみんなも唖然としてて、
ふはっ、なーくんなんて涙目じゃん。
「えっ、えっ??幽霊ちゃん…、?」
ぽそりとなーくんが呟く。
「さっ、さとみくん!!ついさっきまで幽霊ちゃんここにいたよね…!?」
「、うん。いた。」
「…なんで消えちゃったんだろう…。」
なんでだろうなあ。
ほんとに。
俺が知りてえよそんなん。
なんでだよ。幽霊。
勝手に消えんじゃねえよ。与えるだけ与えといて。
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わーお(プロフ) - 待ってく、れ....4話目が読めない...超、手が震える...尊いヤバイ無理死ぬ、の四点セットが頭にって、次のページめくれない...神作品ありがとうございます...!! (2022年5月5日 18時) (レス) @page3 id: 69709ab410 (このIDを非表示/違反報告)
雨兎華 - あの、好きなんです。(急)え、めっさ好きです。あの、更新待ってます。更新してください…(スライディングドゲザァァァァ) (2022年1月27日 2時) (レス) @page20 id: cd91b46233 (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;`Д´)これからも応援してます(^○^) (2021年12月4日 9時) (レス) @page20 id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 頑張れ‼︎頑張れ‼︎ (2021年10月22日 23時) (レス) @page20 id: 7253a0dbda (このIDを非表示/違反報告)
rimu - とても面白かったデス!結婚しt(((殴天才デスか?天才デスヨネ?僕なんかニ応援させても嬉しくないト思うけど 応援してマス!長々と、すみません。 (2021年10月20日 21時) (レス) @page20 id: 8604b433e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ごりら | 作成日時:2021年7月31日 14時