飽き性な彼はある意味オタク気質【wrwrd!】【男主】

｢色々つまらへん｣ ページ10

side……zm＿＿

『チィ─────ッス！！！』


ダクトから通って、勢い良くダクトの扉を開ける。


ただ、そこには誰もいない空のベッドと、虚しく響く時計のカチコチとなる音だけだった。


俺が来たのは、Aがいた部屋。
昨日までは、大袈裟って言っても良いくらいに反応してくれた、アイツ。


Aは、食害の反応も面白かった。
コネシマ達とはまた違う反応で、いつもいつも楽しかった。


昨日、彼奴はこの国を出てった。
色々と物を持って。


とりあえず部屋に降りて、間違い探しみたいに、昨日まであったものを探す。


結構色々見つかった。
例えば、明らかに鳴る設定時間がズレてた目覚まし時計。

寝る前に聞いてたのかは知らんけど、オルゴールの箱。


『……あ、あの写真も持ってっとる。』


棚の上に置いてあった、写真立て。
昨日までは、その中に俺ら幹部全員で撮った写真が入っていた。


『…あの写真見て寂しくなって、帰ってきたりせぇへんのかなぁ…』


それやったら、また一緒に騒げんのに。
他の奴らでもええんよ。でも、彼奴がおらんとまたなんかつまらへん。


『……はよ帰ってこいや。
お前が居らんと、色々つまらへんねん。』


俺以外誰もいない部屋で、少しだけ呟いた。

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