【d!】教え子達の国に行ってみた☆２ (ページ6)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:3,608 hit

★　出発前夜ページ6

ht side

時が過ぎるのは早いもので、もう出発前夜になった。
俺は今、先生の準備を手伝っているところなんだけど...。

ht「先生、いくらなんでも荷物多すぎじゃない？」
「？そうか？」

カバンの中に正装とか贈答用のお菓子とかが入ってるのはまだ分かるけどさ、

ht「このフライパンとかいる？向こう行ったら露店でご飯済ませるんでしょ？」
「い、一応いるかなって...ほら、フライパンなら殴れるし！」
ht「じゃあこの『旅する英会話』は？先生大体の言語マスターしてるでしょ。」
「げ、現地の人が困ってるかもしれないし...。」

次々と無駄なものを省いていく。
けん玉、オセロ、将棋、etc...。
本当にこの人何しに行くんだろ。こんなに荷物あったら万が一の時に逃げ切れないでしょ。

ht「これは？」

カバンの奥底から掘り出した、一冊のノート。
表紙がよれててボロボロだ。ずいぶんと古い。
俺がノートを掘り出した瞬間、サッと顔色を変えてそれを奪い取る先生。

「これはダメ。絶対に持っていく。」

そう言った先生の顔はいたって真面目で、有無を言わせない何かがあった。
思わずその気迫に飲み込まれ黙っていると、誰かがドアをノックする音が響く。

os「準備終わった？そろそろ夕飯や、けど...」
「「あ。」」

散らかりに散らかった部屋を見て呆然とするマンちゃん。
そんなマンちゃんを見て冷や汗を垂らす俺と先生。
今夜は夕飯食べれないかも...。

￣￣￣￣￣￣￣￣
￣￣￣

なんとかマンちゃんを追い出すのに成功した俺達は部屋の片付けを進めていく。
ちなみに、夕飯は先に食べてもらうことになったよ☆(唐突なキャラ崩壊)

「オスマンって以外と綺麗好きだよな、昔から。自分の部屋は結構汚そうなのに。」
ht「伊達にJK騙ってないよね～、本人に言ったらキレられそうだけど。」

「JKにそんな言い方するなんて、サイテーめう！」とか言って可愛く怒るんだろうな。
普段の言動はおっさん味が強いのに。
マンちゃんの話から話題はそれ、昔のみんなの話をしていたらあっという間に終わった片付け。
夕飯食べれそう。

「ひとらん、ありがとうな。遅くまで付き合わせちゃってすまんな。」
ht「気にしないで。」

申し訳なさそうに謝る先生。俺が心配だから手伝ってただけだし、別に謝らなくていいのに。

ht「絶対に帰ってきてね。約束だから。」
「ああ。約束だ。」

そう言って笑う先生。
なんだろう、安心したいのにできない。
―――その胸騒ぎが現実のものになるだなんて。